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騒動

第五一話です。

楽しんでいってください。

 時は少しさかのぼる。


 滝が一瞬にしていなくなったことで城内で人がせわしなく行き交っていた。


「ん?皆どうしたんだ?そんなに慌てた様子で。」


 今まで部屋にいたのだろう。部屋から出てきた央樹は城内の様子を見てそういった。


「なんか戸板が消えたらしいぞ。んで、貴重なレア職業のやつが消えたって事で王様が調査をしろって言ってこの有様だ。」


 央樹のすぐ近くにいた勇者パーティの田村伯太がそう答えた。


「えっ!?滝が消えたって!?なんでだよ!?何が起きたんだ!?おしえてくれっ!」


 央樹は伯太の言ったことを聞いて怒髪天をつく勢いで伯太に聞き返した。


「ちょっ!落ち着けって。僕もよく分からないんだ。消えた所に僕が居合わせたわけじゃないからな。…………そんなに気になるなら副団長に聞いてみたらどうだ?」


 食ってかかる央樹をなだめながら伯太は一番事情が分かっていそうな人物の名前を出した。


「副団長だな。サンキュー。聞いてくるっ!」

「お、おい!そんなに急いで…も……」


 そう言って央樹は伯太の言葉を聞かずに走り去っていった。


「あー今は副団長忙しいから対応出来ないだろうけど………まぁいっか。あいつも気付くだろう。」


 そう。副団長は今調査を行っているから対応出来ないだろうと伯太は言いたかったのだろうが。なにせ央樹はやると決めたことはやりきるまで突っ走るやつだ。そう簡単には止まらない。まぁ近くにいる騎士の人に止められるだろうが……。





 そのときの国王は、

「ええい!滝殿はどこへ行かれたのだ!お前らはなぜ痕跡すら見つけられんのだ!」


 癇癪を起こしたように怒鳴り回っていた。そこへロイスさんが声をかけた。


「王よ。彼は魔方陣の研究をしておられました。その研究の最後、彼が自信作だと言っていた魔方陣に魔力を流したのです。流してもすぐには何も起きなかったので失敗かと思われたのですが、その20秒後いきなりまばゆい光に包まれて消えました。」


 ロイスさんは起こったことを省略しながら話した。


「その魔方陣、まだ残っておるか?」

「はい。こちらで回収し、保管しております。」


「そうか。ならばサニムに渡し研究をさせろ。それで何か分かるやもしれん。」

「はっ!」


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