ロイスさんの乱入
第三十四話です。
楽しんでいってください。
昨日言っていた配列を知るために既存の魔方陣と自作の魔方陣とを見比べてみた。
「えーと?どういった違いがあるのかなー?と。…………うん。『言語理解』ありがたや。まじでやりやすいわ。あー、やっぱある意味規則性の塊だな。だから僕のやつは発動しなかったんだな。納得だわ。あれじゃ暴発しててもおかしくなかったな。」
見比べてみるとやっぱり規則性があり、それに対応した言葉が書かれてあった。魔方陣は雑に見えて精緻な、一種の絵画のような、それだけで作品と言っても過言ではないものだったのだ。
それと比べると、自作の魔方陣は全く精緻ではなくただ単語を並べて満足している幼稚園児レベルの魔方陣だった。やはり基本を見て創るのが無難だと思う。
魔力がしっかり行き渡らない魔方陣は暴発してしまうそうなので、とても危険な綱渡りを知らず知らずのうちにしていたのだ。
魔法に関してのスペシャリストである『クラウン』が魔法を暴発させるとはとんだ笑い話である。
「しっかし、こんな魔方陣は誰が最初に創ったんだろうな。そこが疑問だな。」
こんな最初とはいえ暴発するかもしれない魔方陣と比べるのもおこがましいくらいの精緻な魔方陣を最初に創った人は天才か、本物の『神』様なんだろうな~。とおもいながら既存の魔方陣を見ながら新たな魔方陣を創っていると
「やぁ。なにをやっているのかな?」
という声が頭上から聞こえた。
「あ、ロイスさん。今は自分の技能を使って魔方陣を創っているところです。」
声の主はロイスさんだった。ロイスさんの質問に答えると
「魔方陣をかい?また難しいことをやっているね。」
「まぁ難しいですね。今は既存の魔方陣を見てまねながら基礎からやってます。」
難しいので否定はしない。だが暴発させそうになったことは伏せておく。だって見張りをつけられたら好きに制作出来ないじゃまいか。
「うん。基礎からやるのはいいことだね。いいものが創れるように期待をしながら応援をしているよ。」
「あ、あはは。……善処します。」
「うむ、頑張りたまえ。……じゃ、僕は部屋に戻るから用があったら来てね。」
「はい。ありがとうございます。」
少し話した後ロイスさんが自室へと戻っていった。
「よし。後もうちょい頑張ってみるか。まぁ、最初はまねて創るだけだけど。」
そんな言葉を皮切りに集中して魔方陣を書き始めた。
集中が途切れたのはそれから一時間後だった。




