いつものことです
第二九話です。
楽しんでいってください。
ロイスさんについてサニフトの町をひとっ走りしてきて、サニフト平原に出た僕とロイスさんはそこで向き合って構えをとっていた。
「組み手と言ったけど滝君って組み手の仕方知ってたっけ?」
「あー、一応少しだけなら知識として知っていますけど。」
「そうか~。じゃぁまずは組み手の仕方からだね。」
「はい。お願いします。」
それから僕はロイスさんに組み手の仕方を教えてもらい少しずつなれていくためにロイスさんに弱めから少しずつ強くしていってまらった。
「うん、ある程度出来るようになってきたみたいだね。今度は身体に強化魔法をかけてからやってみようか。」
「それってもっと早くなるって事ですよね。大丈夫でしょうか。」
「大丈夫、大丈夫。強化と同時に動体視力もよくなるはずだから、全く見えないって事にはならないと思うよ。」
「そうなんですか。……じゃぁ『無限』でかけますか?」
「ん?そんなことも出来るの?……まぁ、強化をかけてくれるのなら嬉しいけど、こんな魔法に使う意味ってある?」
「どうでしょう?まぁやめときますか。」
「うん。そうしておいた方がいいよ。」
「では…………ここに強化を求む『身体強化』」
さきに『無限付与可能』をいれないように自分にかけてから、同じようにロイスさんにもかけておいた。
「ありがとう……じゃぁ、さっきと同じ組み手をこの状態でやろうか。」
「はい。お願いします。」
強化をして組み手を始めた僕とロイスさんは約一時間後に組み手を終え休憩をして町に戻った。
「今日はありがとう。明日は早くに王都に戻るつもりだから、寝坊しないようにね。」
「ありがとうございました。それは大丈夫ですって。」
「そうかい?……じゃまた明日ね。」
「はい。おやすみです。」
「うん。おやすみ~」
町に戻って軽口を言い合いながらわかれた僕は、宿へと一直線に向かい自室へと入った。
「あー、つかれた~。魔方陣考えたいけど……疲れたから城に戻ってからでいいや。」
部屋に入ったことでどっと疲れが押し寄せてきたので問題を先送りにして寝てしまった。
…………いつものことだ。




