寝る前の馬鹿
第二四話です。
楽しんでいってください。
訓練を終えた僕達のパーティーはサニフトの広場に戻ってきていた。
「ロイスさん!何でこんな時間になるまでやったんですか!?それも休憩もなしに!」
「いやー、その方が訓練になると思ってね~」
「いや、何ですかそののんきな返事は。というかそれ答えになってるんですか?」
「まぁまぁ、今日はこれでおしまい!また明日ね~」
「ちょっ、待ってくださいよ!」
「君も疲れてるでしょ。かえって休んでなよ。」
「はぁ、もうわかりましたよ。それではまた明日。」
「うん。しっかり休みなよ~」
そんなこんなで言葉を濁して帰って行ったロイスさんを見送りながら僕は帰路についた。
(はぁー、なんで今日のロイスさんはこんなに張り切ってたんだ?よく分からん。まぁ訓練はたくさん出来たからいいんだけど。……てか今ここに時計があったら絶対9時は回ってるよね!?)
そんなことを考えながら歩いていたらすぐに宿に着いたのでそのまま中に入り自室に直行した。部屋に入った僕は風呂に入りたいなーとか思いながら服を脱いで水とタオルで身体の汚れをぬぐい取っていった。
(あー、お湯につかってゆっくり休みたいなー。…………ん?魔法生成で身体を洗う魔法作れるんじゃね?そのためには魔法陣の法則性とか描き方とか覚えなくちゃだけどな~。まぁ後々考えていけばいいか。)
と、よく考えればそんな魔法の一つや二つ探せばあるだろうに自分の技能で済まそうとする馬鹿が一人いた。
(馬鹿な)自己完結をした僕は鼻歌を歌いながら身体を拭いていると、
(……………………………んん?……魔法生成ってそう思えば何でも作ることが出来るよな。身体強化の上位互換、いやそれよりも性能のいい魔法が作れるんじゃね?まぁそれを作動させるための魔力が少なすぎて出来ないんだろうけど。)
そこには自分の能力の有用性を真剣に考え始めたパンツ一丁の男がいた。
一人タオルで身体を拭きながら物思いにふけっていた僕は身体を拭き終わり寝間着に着替え始めていた。
(やっぱり魔法についてサニムさんに聞いておいた方がいいな。問題はいつ聞きに行くか、と、覚えられるかだな。覚えるのが根性でどうにかすることにして、聞きに行くのは時間のある訓練が休みの日とかだな。……よし!この世界で死なないように頑張っていくか。)
と、また馬鹿な事を考えながら明日の訓練を耐え抜くための体力を回復するために一人ベッドに潜り身体を休めるのであった。




