団長に釘を刺しておきました。
第二一話です。
楽しんでいってください。
ロイスさんに呼ばれて部屋の中のいすに座った僕は団長達と話し合いを始めようとしていた。
「じゃぁ、僕から始めるね。滝君、君の『永続付与可能』という技能は文献には載ってないんだけど昨日実際に見せて貰って、いろいろと実用性…と言うか利用できる場面が多い技能だと思ったんだ。それと同時に魔族がこのことを知ったら真っ先に君を捕獲、あるいは抹殺という行動に出るだろうということが想像出来たんだ。それを考慮してこれ以上の情報漏洩を抑えようと思うんだがどうだい?」
僕の技能についてロイスさんなりに考えてくれているようだ。
「どうだいって……もうロイスさんには漏洩しているんですが。」
「そ、それについてはすまんかった!どうもサニムと一緒だと気が抜けちまってな。」
「いや、言い訳じゃないですか。見苦しいですよ。」
「うぐっ!ま、まぁいいじゃないか心強い味方が加わってくれたようなものだしな!」
「いや、結果オーライじゃなくてですね。」
「あ、あははははは」
「笑ってごまかそうとしないでください。」
「す、すまん。」
このときの僕の団長を映している目は絶対零度よりもさらに低いじと目になっていた。それをみた団長は速攻で謝ってきた。
「まぁもう過ぎたことなんで今更どうこういうつもりは無いんですけど情報はしっかりと守って貰わないと信用が底をつきますよ?」
「わ、わかった。これからはちゃんと情報はしっかりと守る。」
「情報以外にも大切なものはたくさんありますからね。」
「う……わ、わかった!だからもう許してくれっ!」
「はいはい。これで終わりますよ。」
「よ、よかった。」
「それで僕の技能についてなんですけど抑えてくれるのならお願いしたいです。」
「わかった。全力で守ってみせるからね。」
「はい。頑張ってください。」
「じゃぁ話したいことはこれだけだからこれから平原に向かおうか。」
「はい。分かりました。準備を速攻で終わらせてきます。」
「ゆっくりでいいからね。」
「あ、はい。……では。」
そういって僕はロイスさんの部屋を出たのだった。




