慌てすぎです
第14話です。
楽しんでいってください。
そう言った僕の手から野球ボールくらいの大きさの火の玉が出て噴水へと飛んでいった。と、そこまでは順調だったのだが噴水に直撃したところでサニムさんとは違った結果になった。……その結果とは噴水に直撃はしたが火が水に当たって蒸発しなかったというものだった。
「ん?なぜ消えない?おい、おまえがやっているのか!?」
「い、いえ!違います!僕にも何が起こっているのか分かりません!」
「じゃぁサニム!わかるか!?」
「分かりません。……滝様のステータスにあった『永続付与可能』というものが関係しているのではないでしょうか。」
「そうか。そうかもな。滝はあれの解きかたは分かるのか?」
「分かりません。何か試してみましょう。」
そう言って僕は何か方法は無いのかと考えようとしたとき、ぼんやりと頭の中に言葉が流れてきた。
「火の粉よ、解けよ」
その言葉を言ったとたんに噴水の中で燃えていた火の玉が音を立てずにゆっくりと消滅していった。
「おお。解けたな。やっぱりお前の能力だったか。他にも使えるか?」
「使えると思いますけど……」
「そうか。だが多様しないようにしておかないと後々大変なことになるだろうから魔法を撃つときは気をつけて撃つようにしておけよ。それにこのことをゴルガ様に報告するのはやめておいた方が良さそうだ。報告したら絶対に戦争にすぐ行かせようとするかもしれないからな。」
「はい。分かりました。」
「サニムも分かったか?」
「はい。大丈夫です。」
「よし。二人ともこのことは他言無用だ。きもに命じておくように。」
「了解です」
「了解」
そういうことで、なぜか分からないが団長達との共通の秘密を持ってしまった。
(後々めんどくさくならないように絶対に秘密は言わないようにしよう)
みんなにちやほやして欲しい気持ちよりもめんどくさくしたくないという気持ちが勝った瞬間であった。
そして僕たちは解散して個人の部屋に戻った。
部屋に戻った僕はベッドに寝転んだ瞬間に意識を闇の中に落としたのであった。たぶん今日一日の疲労がとてもたまっていたのだろう。




