確認
第一〇五話です。
楽しんでいてください。
よくわからない魔法陣を『異空間収納』に放り込んだ後、腹ごしらえを済ませ、それからスペルミスによって作られたマッピング魔法――以降『ブレインマップ』と呼ぶ――の永久付与を解除してみることにした。
「永久付与で持続させれば頭の中に地図が出来上がっていくんだろうけど、もしそれが切れたとき、記録がすべて消えてたらいやだもんな。」
ということで、それの確認だ。『ブレインマップ』という魔法は、おそらく脳に直接書き込んでいるので、脳の記憶領域を破壊されない限り地形を記憶し続けられるとは思うが、それができていなかった場合の改良を加えなければいけない。
まぁ解除してみないとわからないので、さっそく解除して状況を見てみよう。
「我、『ブレインマップ』の解除を求む。」
ちなみに洞窟内での訓練の末、俺は解除の詠唱の言葉も短くすることも可能としている。
「さてさてどんな状況かな?……………解除中の記憶領域には地形が出てこないか……。じゃぁもっかい『ブレインマップ』を永久付与したら、どうなるんだ?」
『ブレインマップ』の解除をしたら地図が出てこなくなったので、魔法自体に記憶されるのか、魔法自体がキーとなって脳に記憶されたものが呼び出されるのか、それとも解除したら書き込まれたものがすべて消えるのか。考えられるものとしてはこれくらいだ。
ただ、自分なりの考察をしていてもことは進まないので『ブレインマップ』を自分に永久付与する。そして、地図を呼び起こそうと意識を集中させる。すると、すぐに地図が頭の中に浮かび上がってきた。その時、頭痛は発生しなかった。どうやら記憶はされているみたいだな。というか記録がなくなってたらまたあの言葉では表せないほどの痛みを味わうことになってたのか………。つくづく、なくなってなくて良かったと思うな。
記憶・記録はなくならないことが分かった俺は次に、脳に書き込むという単語だと思われる物の研究を始めることにした。だが、研究といっても単語一つしかないので、それを他の書き込みをする魔法陣とかに移植するくらいしかすることがないが………まぁやらないよりはいいだろう。




