3話 俺の人生初デート①
今日は土曜日。
学校一の美少女と言われる雪野凉葉にデートを誘われた俺は今、待ち合わせで指定された風見駅にいる。
風見駅は、俺の通う私立柏葉高校の最寄り駅であり、近くに大型のショッピングモールもあって多くの人が利用する駅でもある。
デート待ち合わせ時間は10時なので余裕をもって30分前には駅に着いていた。
待っている間俺は今回のことについて考えていた。
「うーん…なんで俺なんだろ?」
誘われた日からずっと考えてたんだけど、なんで俺なんだ?俺なんかよりカッコいい奴なんてたくさんいるのに…例えば、以前クラスの女子が言ってたサッカー部の平野とか、あとは、水泳部の橋本とか?他にもいっぱいいると思うのにな…マジでなんでだろ?
「はぁ…全くわからん…」
初めて女の子とデートということもあり、昨夜あまり眠れず思考能力が低下しているからだろうか?
「って考えてる間に、もうすぐ待ち合わせ時間なんだけどな」
それにしても雪野さん遅いな…?と思って改札のほうを見てみると、白のシャツとデニムのショートパンツを着た高校生?ぐらいの人が走ってくるのが見えた。
「ん?あれって…」
「はぁ…はぁ…」
「ゆ、雪野さん?」
一瞬誰だか分からなかったな。何かすごく大人ぽく感じてしまった。
「はぁ…!はぁ…!ご、ごめんね!待たせちゃったよね!?」
「大丈夫!大丈夫!俺もさっき来たばっかだし!」
「ほ、本当?よ、よかったー!」
まぁ、本当は30分前なんだけどね…言えないけど。
「遅れたらどうしよう!って思って本当によかったよ…!」
雪野さんはいい人だなー。だから男子たちから人気があるんだろうな。しかもかわいいし。
「え、えっと…ど、どうかな…わ、私の服…へ、変じゃないかな…?」
雪野さんは上目遣いで俺を見てきて…や、やばい。め、めっちゃかわいいな…やっぱ学園一と呼ばれるだけあるな…そんなことより!服の感想!服の感想!
「う、うん。すごく似合ってる…と思うよ…」
俺は顔を赤くしてそう言うと
「あ、ありがとう……」
雪野さんはうつむき、恥ずかしそうにそう言った。顔が赤く見えたのは気のせいだろうか?
でも、雪野さんってよく見ると本当にスタイルいいし…肌も白くキレイだなぁ…胸もいい感じで…
「どうかした?」
「へ?あ!い、いや!なんもないよ!!!?」
いかんいかん!思わず変なことを考えてしまった…気を付けないと…。
「じゃ、じゃあ!いこっか!」
「う、うん。」
そうして、俺の人生初デートは始まったのである。