2話 美少女からのお誘いは断れませんよね?
「…デート」
俺は雪野さんからその言葉を聞いその場から動けなくなっていた。
な、なぜ俺なんだ…一体これはどういうことなんだ。
「ねぇ、雪野さん?な、なんで俺なんかとデートを?」
俺は気になって、ついつい聞いてみた。
「え?そ、それはえっと……」
雪野さんは黙ってモジモジし始めた。か、かわいい…
「そ、その……」
顔を真っ赤にして涙目でこっちを見ている。こ、これは反則だ。
「わ、わかったから。無理して言うことじゃないね俺が悪かった。」
俺は観念して、結局聞き出すことはできなかった。
「そ、それでどうかな…」
うーんデートね…どうしよう。俺、デートなんかしたことないし大丈夫なのかな?それでもいいならいいけど。
「雪野さん、俺デートなんかしたことないけどいいの?」
「う、うん全然大丈夫だよ!わ、私だって始めてだし!」
な、何でなら俺をデートに誘ったんだ…。ワケがわからんくなってきた。
「北条くん……私とはダメかな…?」
うわぁ…!またこの上目使い+涙目の最強技!これを食らってしまってはもうダメだ…!
「わ、わかったよ…いいよ」
うぅ…あれを受けていてダメなんて言えるかよ…なんて卑怯なんだ…。
「よかったねー!涼葉!」
「うん!」
なんか俺をおいて、木村さんと二人で盛り上がってるけど…そのテンションにはついていけません。
「なら、北条くん連絡先交換しよ!」
「あ、うん。いいよ」
雪野さん、ついでに木村さんとも連絡先を交換した。
「よし!なら詳しいことはまた連絡するね!」
「うん」
「じゃ、じゃあ!土曜日楽しみにしてるね!じゃあね!」
そう言って、雪野さんは物凄いスピードで俺から遠ざかっていった。
な、なんか勝手にデートするような流れになっちゃったけど…大丈夫か?これ?
「はぁ…まいったな…」
俺は後頭部をかきながらそう不安を口にするのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
「やばいやばいやばい!どうしよー!デートしてくれるってー!!!!あーど、どうしよ!なに着て行こうかな!?うぅー!!迷っちゃうよ!!」
私、雪野凉葉は自分の部屋のベットに寝転がり、興奮を隠しきれない状態だった。
だって!まさかオッケーしてくれるとは思わなかったんだもん!こ、これは奇跡!神様がきっと私の味方になってくれたんだよ!
もう最高だよ!土曜日が待ちきれないよ!
はぁはぁ…落ち着きなさい私。このデートに失敗は許されないんだから!これは北条くんの彼女になるための道なの!絶対に失敗は許されない!
焦らず、そして冷静に頑張るのよ!そして、必ず北条くんを心を射止めて、私はか、彼女になるんだからー!!