1話 俺の人生が平穏じゃなくなった
「ふわぁ―……眠い…」
俺―北条楓は授業中あくびをして、誰も聞こえない声でそう呟いていた。
(早く終わらないかな…)
心の中でそう思っていたら、良いタイミングで授業終了のチャイムが鳴った。
「あー疲れた。さてと、さっさと掃除して帰りますか」
俺は素早く教室の掃除をした後、教材を鞄に入れ教室を出た。
「あ、北条君。ちょっと今いい?」
教室を出て、廊下を歩いていると2-F組の木村さんに声をかけられた。
「ん、どーしたの木村さん。何か用?」
木村さんとは1年生の時、同じクラスだったからそれなりに面識はある。当時クラス内の男子の中でかわいいと評判だった子だ。でもあんま喋ったことはないんだけどね…だから向こうから喋りかけてきたから何かあったのかな?と思っていると、
「ねぇ、北条くん。この後時間ある?時間あるならちょっとF組に来てよ」
うーん…どーしよ…でも何でF組に?まぁ特にこの後用事なんてないからいっか。
「わかった。いいよ」
「やった!ちょっとついてきて!」
そう言われ木村さんの後ろをついていき、F組の教室前までやって来た。
「ちょっと待っててね!」
木村さんはそう言って教室内に行ってしまった。何の用だろ?とずっと考えていると、すぐに木村さんが一人の女子生徒を連れて俺の元に帰って来たのだけど…あれ?この子って…
「ほらほら!凉葉!北条くんつれてきたんだから、言いたいことちゃんと話すんだよ!」
そう、俺の目の前に現れたのは学園一の美少女と言われる雪野凉葉だった。
「え…?」
衝撃的過ぎて俺はその場で立ち尽くしていた。
「えっと…その…あの……」
雪野さんが俺に何か言いたそうにずっとモジモジしているけど…なんなんだ?一体?
「あのー…雪野さん、俺に何か用ですか?」
「え!?あ!そのー…えっと……」
雪野さんはずっと下を向きながらモジモジしてるけど…本当になんなんだ?
「ほら!凉葉!頑張って!せっかくのチャンスなんだから!」
チャンス?何がチャンスなんだ?そう思っていると…
「こ、こんにちは…ほ、北条くん…え、えっと…そ、その…もしよかったら…わ、わたしと…」
「私と?」
「こ、こい…びと…」
「こい?」
何か雪野さんが言ってるけど、声が小さくてあまり聞き取れなかった。すると、雪野さんが顔を真っ赤にして俺の目を見て――
「こ……こ、今度私と!で、ででデートしませんか!???」
「――――はい?」
「で、ですから!今度の土曜日私とで、デートしませんか!??」
その言葉を聞いて俺は、またしてもその場で立ち尽くしてしまったのだった…。
小説書くの初めてですが、もしおもしろいと思ったら感想等おねがいします!