「魔女のエチュード ～宗教幻想を題材にした六つの詩曲～」第6番 全てが幻想だったのですか? 〜イタリアのサバトの舞踏〜
1
***墓場の支配人***
全てが幻想だったのですか？
荒野の愛しきあの男も？
空を飛ぶ可愛い眷属達も？
唄を歌う土気色の巫女も？
醜悪なヒキガエル達も？
理性という日は昇り、
サバトの高原に、月明かりの変わりに
日の光が指すのです!!
それで終わりなのでしょう
きっと終わりなのでしょう
それでも!! また会いましょう!!
憂鬱な暗闇の下!!
***稲刈りの女達***
女達は懲りずに夢を見る!!
***全員***
幸せになれぬと知りながら!!
***墓場の支配人***
邪悪な旦那に
ああ、敬礼!!
2
***墓場の支配人***
全てはみじめな敗者だったのですか？
百姓娘の見た夢？
田園の幻想？
逆さまのミサ？
女魔術師の一人芝居？
やがて天使に鉄槌を下され
全ては虚ろなまま幻となり
闇に消えてゆくのです!!
私達は負けるのでしょう
きっと負けるのでしょう
だけど、私達は歌う!!
いつだって夜の中で!!
***稲刈りの女達***
おお、私達の夜の女王よ!!
***全員***
弱き心こそが!!
我らの誇り!!
***墓場の支配人***
性悪花売り娘に
ああ、乾杯!!
だから、また会いましょう!!
憂鬱な暗闇の下!!
***稲刈りの女達***
夜の犬達はいつも夢を見る!!
***全員***
いつか私達にも、幸せが!!
***墓場の支配人***
孤独な夜会に乾杯!!
***全員***
幸せになれぬと知りながら!!
俺達はいつも笑ってる
***魔女達の合唱***
現世の栄華も富も悲しみも
やがていつか虫に喰われ、夢と消える[何度も繰り返し]
