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ただ・・・  作者: You
Ⅰ・・・
8/23

ⅠのⅧ

たまには恋の話、いかがですか?


さぁ、用意が整ったようですね。


ご案内いたします。

私は普通の女子高生。でも、恋愛とかは苦手な女子高生です。お化けとかは、映像やお化け屋敷じゃなければ大丈夫。オシャレと友情が大切だと思う女子高生なのである!!

 でも、そんな私が苦手な恋をした。過去を持つ私と過去を捨てようとする彼との恋。


―――ある日―――

千夏ちか、私に彼氏ができたんだよ。」


私に嬉しそうにしゃべる親友の水波みなみ。水波は私が男嫌いなのを知っている、数少ない人。水波に彼氏が出来たのは初めてだ。昔から大好きだった初恋の彼のことだろうか?


「へぇー、ダレ?」


あまり興味はないが、全然ないというわけでもないので聞いてみた。水波は嬉しそうにニコニコと笑っている。恋をするとキレイになるというのは、もともと綺麗な水波も同じようだ。普段の何倍以上も綺麗に見える。水波は照れたように笑いながら言った。


「ずっと好きだった、隣のクラスの斎藤さいとう しんくんだよ。」

「やっぱりあの人なんだ。良かったね、やっと恋が叶ってさ。」


水波はうん、と首を縦に振った。私が恋をするきっかけになったのは、この親友とその彼氏のおかげである。そして、今日がその運命の日だった。彼との出会いのきっかけは一言だった。


「今日ね、彼を千夏に紹介したいの。彼にも千夏を紹介したいし。」


アレ?水波は私の男嫌いを知ってるはずなのに。話すのもなかなかダメだし。嘘だろ?!


「彼も、親友を紹介したいんだって。勿論私にね。」


いや、そうに決まってんでしょ。あぁ、これじゃあ本当に連れて行かれるじゃん。今日ってなんか予定なかったっけ?手帳を試しに開いても、携帯のカレンダーもメモをみても、予定は無し。あ、来週はお母さんの誕生日だ。


「水波ぃー。ウチ、お母さんの誕生日プレゼント・・・」

「明日、土曜日に一緒に買いに行けばいいじゃん。買い物行くって約束してたし。」


あ、ヤバい。このままじゃ本当に逃げられない。じゃあ、部活だ!!


「それに部活は今日と明日は休みなんでしょ?」


先を越されてしまった。水波のほうが一枚上手だった。いつもは私のほうが一枚上手なのに、男と会うと聞いて、焦りが止まらない。・・・動揺するな、私!!


「じゃ、行こうか!!」


水波は私の腕を引っ張り、連行していった。勿論、私のカバンと自分の物を手に持って。


―――とあるカフェ―――

扉を開けば、静かで程よい気温の店内。珈琲のいい香りを漂わせている。この店の名前は「とあるカフェ」という、少し・・・だいぶ珍しい名前だ。店内に入れば、背が高い茶髪の幼さを残す男が手を振っていた。


「あ、進くん。」


いち早く男に気がついた水波は、彼に駆け寄る。私は重い足を無理やり動かさせ、2人のもとへ歩いて行った。そして、2人ではなく3人であることに気がついた。ちょうど私の死角には一人の藍色の髪をした男がいたのだ。気がついた私はつい、小さな悲鳴を上げた。そして、藍色の髪をした男はこちらをむいて驚いたような表情を見せた。


「あ、初めまして。水波の彼氏になった、斎藤進です。よろしく」

「・・・神楽かぐら 千夏です。」


私は内心、よろしくなんてするかっ!!と思っていたのは秘密だ。あぁ、早く帰りたい。ま、叶う訳ないですがね。だって、斎藤くんとかいう奴は藍色の髪の男を紹介してきたし。


「あ、こいつは俺の親友ね。ほら、自己紹介」

「あいあい。笠野かさの ゆうです。千夏さん、よろしゅうな。」


そう言って、右手を差し出してきた。それを、私は過剰反応してしまった。そこで水波は、


「ごめんね、夕さん。千夏は男のひと苦手で。」


あ、覚えてたの?と思ったのと、なら連れて来ないでよと思った。夕さんはきれいに笑って


「そうなんか。そら、悪いことしたな。」


といって、謝ってきた。なんか悪いことをしたな、と胸が痛くなった。これが恋でだったのか、良心が痛んでだったのか定かではないが。そして、何故か話は変な方へ。・・・どうしてこうなったのやら。


「ねえ、過去に戻れるならいつに戻りたい?私はこのままがいいけどさ。」


と水波が言うと、斎藤くんとやらはオレも!!とか言い腐りやがった。そしてなぜか私に振ってきた。


「神楽さんは?」

「ウチ?・・・過去に戻って、今が変えられるなら中学入学の頃に。」


少しだけ慣れてきたのは言うまでもない。先ほどまで無視を続けていたのだから、まだマシだ。私は中学生の2年の時に、何故か男に酷いことをされた。何、とまでは言いたくないが。そこに彼が入ってきた。


「中学ん頃かぁ、俺も戻って勉強すればよかったなぁ。でもぉ、過去は思い出しとうないなー。」


すこし、意外だった。彼がそんなこと言うタイプに見えなかったからだ。それなのに、私は何故か口を出してしまった。ほとんど無意識で。


「過去は捨てられないよ。」

「・・・そうやな。あんさんも、捨てへんで頑張っとるみたいやし。オレも頑張ってみようかな?」


そしてまた、美しく笑った。次は少し幼い様な笑顔だった。これを合図のように、私たちは少しずつ心を開いていった。



これが恋の始まりでした。

いかがでしたか?

やはり長かったでしょうか?


是非、感想をお願いします。

読んでくださったみなさん、ありがとうございました。

これからもよろしくお願いします。


このお話はいつか、数年後を書いてみたいです。

・・・かけないかもしれませんが(笑)

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