鎖と少女の歪曲舞踏
ある日、少女は鎖に繋がれた少年に出会った。
少女は問う。
「ねぇ、なんで足に鎖があるの?」
少年は淡々と答えた。
「『奴隷』だからです」
少女はよく分かってなさそうに、ふうんと頷いた
しばらくしてから、少女は再び問う。
「ねぇ、逃げないの?」
少年はまた淡々と答えた。
「逃げられませんよ」
少女はすかさずに言う。
「『自由』になれるのに?」
少年はぼんやりと訊き返した。
「『自由』とは何ですか?」
少女はそれを訊いて目を瞬き、柔らかく微笑んだ。
「教えて上げる。
さあ、一緒に
行こうか」