表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/11

最終章「わがまま」

沖縄美海水族館は、海洋博記念公園の中にある。

記念公園には、色々なレジャー施設があり、その一部にビーチがあるのだった。

そこに居るはずだった。

……やっぱり居た。

彼女は泣いていた。

潮風に髪がたなびいている。

そう、いつか見た景色。

「ゆ…」

一瞬止まった。

優太が彼女を呼ぶ前に、彼女から近づいてきた。

戸惑った。彼女の顔が、余りにも憂いに満ちていたから。

彼女は顔を近付けて、唇を当ててきた。

生まれて初めて、彼女と唇が重なった。離れた後の彼女の顔を見ると、胸が痛んだ。

「ありがとう…、最後に、あなたとここへこれて良かった。優太、バイバイ」

彼女は手を振っていない。

涙が、手を振っていた。

もうすでに、10時を廻っている。

彼女は月明かりに照らされて、輝いていた。

後ろ姿さえも…。

すべてが……、伝わってきた。その…背中から………。

優太の中で、追いかけようと決意したあの時のように、何かが弾け飛んだ。

そうだ、なんで迷ってんだろう。

『おいかけろよ』

正紀の声が響いた。

「まって!」

僕は叫んだ。

叫びと共に、一陣の柔らかい風が吹く。

彼女が振り向いた。信じられないほど綺麗だった。

すべてが。

「ごめん、ずっと、ずっと!沖縄にきてから、ずっと迷ってた。今、答えが出たんだ。…由紀」

彼女が、振り向く。切なそうに。

「俺の、わがまま聞いてくれる?」

由紀が目を閉じて、ゆっくり頷く。

「なに?聞いてあげるよ。」



……………………………



僕達は今、オーストラリアに居る。

静かに、酪農を営みながらの、生活を送っている。

予想はついていると思う。

そう、それが、俺のわがまま。

去年、子供が生まれた。双子の男の子だった。

今日は、クリスマス。

僕と雪と子供達で、静かに、いや、賑やかに、盛大に祝っている。空は、花びらが舞うように、儚く、美しい雪が踊っている。地面は、その雪が延々と続く草原に薄く積もり、綺麗な薄い青空の色を映し出している。

夜の帳に散りばめられた星が、クリスマスという日を祝福していた。

今日は、クリスマス。

今という幸せを、クリスマスという幸せを。


これが、この幸せが、クリスマスの奇跡なのだから………。

この度は、未熟な文章に最後までお付き合い頂いて有難う御座いました。

初めてということで、緊張もあり、度々ミスをしてしまい、申し訳ございませんでした。

えー、今回は、物語が2日間だったので、書き上げたのも2日間でした。

少しベタになってしまったかも…と内心焦ったんですけどね(笑)

楽しんで頂ければ、幸いです。

では、これからも機会があれば、書き続けていきたいと思いますので、応援の程、よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ