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 不 良   作者: まー
8/18

第七話

棗の喧嘩を見に行った舞達。

この喧嘩で負った頬の傷に不満があった舞。

そして棗の異変――


「今日もなっちゃん来ないじゃん。暇だぴょーん」


「んー。どうせタルイんじゃない?電話してもちゃんと出るしwww」


「なっつの事だもんねww」




お見舞い行って、変わったことは無かった。

棗もいつもと一緒だったし、心配は無い。

でもやっぱり血の量が気になる。











あたしが思いすぎているだけ。














そう信じていた。


学校が終わって、家に帰る。


…宿題が捗らない。


…分かんない。


…棗ならわかるんだろうな。



あぁ。これが恋ね。

好きな人ばっか考える…

恋ってひっどー…

宿題も出来ない…



2時間後、やっと終わる。

あたしは低いうなり声を上げる。



プルルルルルルルッ



誰だ。疲れてるのに。



優からか。


「もしもし優ちゃーん?」


「舞ちゃん♪今ね、棗が喧嘩行くらしぃんだヶど来る?」


「ん?んー…」


まぁ喧嘩なんてしょっちゅうだし、大人とは違うんだから

楽勝なんだろうけど…

怪我したら大変だ、包帯でも持っていこうかな。


「行く!!!」


「ぅんwwwじゃぁ、いつもんとこねw」


「オッヶェェ」


「じゃw」


ピッ



包帯を持って靴を履く。




ビルの先に空き地がある。

あそこだ。



「優ちゃんっ」


小声で優に話しかける。


「舞ちゃんww」


「まーいw」


「唯衣!?なんで此処にいるの?」


「棗かっこいいからww」


「あぁ…そうですか…」


あちらを除くと棗チームは棗と拓真で2人。


相手も同じ年齢くらいの奴等が6人程度。



余裕かな。




相手も棗達も向かい合っている。


棗はタルそうに首をちょっと傾げている。

今にも欠伸しそうだ。


それに相手はキれたのか、怒り声を上げて棗に襲い掛かる。


「うぁぁぁぁぁぁっ」


拳が棗の顔を潰そうとする。


すると棗がヒュッと相手の腕を掴む。


左手で棗はガムを口の中に入れると、膝で相手の腹に蹴りを入れる。


「ぐはぁっ!!!」


バタッ



それを合図に次々と襲い掛かってくる。


「ぎゃぁっ」


「ぐぇっ」


「ヴっ」


「んぶっ」


5分足らずにバタバタと倒れていく。


あとはリーダー。

棗があげていた腕の裾を下げると目をこする。


「うりゃぁぁぁっ」


リーダーの手の付近がなにかキラリと怪しい黒い光を放つ。

目を顰めると、刃物を握っている。





一瞬何もかも終わったような気がした。





ヒュッと音がする。


棗の頬から血が1滴おちる。





「んなのアリかよ」


鼻でフッと笑うと、棗が足を上げた。

踵を相手の手に落とす。



「うっ!!!!」


カラン


ナイフが落ちる。


「刺さったら危ないじゃん。」


棗がナイフを拾い上げると、高速技で向こうの壁に投げて刺す。


すると棗が助走を付けて、

手を腹にあてるようにして猫背になっている相手の首に向かって

飛び蹴りを一発した。



「うげぇっ!!!」



着地を綺麗にした棗は相手のご様子を見て、

ちょっと微笑んだ。

黒い微笑み。

何故かやっぱり綺麗に見える。

頬から流れている血が輝く。


――綺麗…。



拓真と空き地から出ようとしていたので、

バレないように電信柱の後ろにそれぞれ隠れる。

何とも子供のような…



「で、あんたら何しに来たの?」



…ば…ばれた…???


「え。誰かいんの?」


拓也が自分ですかと思っているようだ。


「ちげぇよ。見てりゃ分かる」


拓也が首を傾げる。


「行こ」


棗が帰り道に向かう。

ばれていないのかな?



優があたしと唯衣に合図を送る。

片目を瞑って親指を立てている。


まさに尾行の合図だ。


あたしも唯衣も優と同じ合図を送る。


決定だ。


足を潜めて2人の後をついて行く。



拓真はまだ必死に棗に聞いている。

棗は無言のまま歩いている。


帰り道じゃないが、いろんな角を曲がったりしている。

やっぱばれてる?!


人通りが少ないところに付く。

ふと棗が足をとめる。

拓真もつられて足を止める。


棗がポケットから刃物を取り出した。

すると、後ろをクルリと向いた。

電信柱と、ゴミステーションと塀という障害物を見回す。

刃物を上に投げて遊んでいる。

電信柱にはあたし、ゴミステには舞、塀には優が寄りかかっている。


「バレバレだっつの」


ナイフが電信柱にぶつかる。


「きゃぁぁっ!!!」


「優、唯衣、御前等も出て来い。バ――カ」


「うー。」


「バレちゃったかぁ」


「なるほど・・・そー言うわけね・・・」


「何尾行してんだよ。ストーカー」


あー。なんと言い訳をすれば・・・

そこであたしはあることに気づく。


棗の頬からまだ血が流れている。

これは異常なのではないか?

血の量は多いとは言えないが、もう止まっても良いであろう。


「棗…血…」


「んぁ」


手で血を拭うと、帰りますか。と言う。

やっぱり変だ。

あたしが変なんじゃない。

やっぱ棗が変なんだ。


あたしは家に帰ると、ご飯を食べる。

ご飯が喉を通らなかった。





































「ゲホッ」


冷や汗をかいた棗の口から赤い液体が出る。


「…」


赤く染まった白く薄い手


慣れた目つきで眺めると軽く舌打ちをした。



すいません。

ちょっと放置していました。

そしていつもより短くなってしまいましたね…

次回、頑張ります

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