第参話
あたしはMP3の電源を切ると、イヤホンを外した。
優のスナック菓子を食べる音がパリパリと聞こえてくる。
右手にMP3を持ちかえて、棗に渡した
「はぃ♪」
「・・・」
棗は無言で受け取ると、バッグにしまって携帯を取り出した。
「なっつメール?」
「嘘?!なっちゃんメールしてたの?」
返事なんてしないのがいつもだから慣れている。
でも優とやっぱ違うんだよね。
一緒に馬鹿話して馬鹿みたいに笑って大粒の涙流したい。
いつからかこれが願いだった。
でも仕方ないよね。
棗、過去にいろいろあったもんね。
なのにあたしに優しく接してくれた。
あたしの願いなんて贅沢だよ。
「ちょ、舞!?大丈夫!?」
「大丈・・・ぶ ヒック」
涙が込み上げる。
あたしのお父さんは亡くなる前に
『舞、愛してるよ』
って。
だけど棗は違う。
暴力降られて
頼れる人なんて一人も居なかった。
それでもあたしに・・・
棗のほうがもっと酷いのに。
ストレスだって溜まっただろうに。
棗がこちらに顔を向けたのが分かった。
ストレスあたしにブッチャケぶつけてよ?
一人で抱え込むから表現の仕方分からなくなっちゃったんだよ?
「・・・舞?」
「なっ・・・なつめぇぇっ・・・」
「舞ぃぃぃぃ・・・;;」
正直棗に抱きつきたかった。
あの細い棗でも今だと不思議に大きく見えた。
あぁ・・・馬鹿だな・・・
イケメン二人の目の前でベソかいて・・・
穴があったら隠れたいなぁ・・・
棗は何かを感じ取ったのだろうか。ベンチから降りて優を呼ぶ。
「優、ジュースかってこない?」
「え・・・でも舞が・・・」
「良いよ。んなの。」
「でも・・・」
「じゃぁ舞のぶんもジュース買ってこよ」
やっぱ棗って勘鋭いんだなぁ。
よくあたしが思ってること分かったね。
泣き顔見られたくないもん。
「じゃぁね、舞。すぐ来るから・・・」
「行こ」
「うん・・・」
棗が屋上のドアを閉めた。
同時にあたしは泣き叫ぶ。
でも半分残念だったのかもしれない。
あのまま棗がいてくれたら
あたしは棗にすがりついて泣けた。
けど棗が嫌がるかな。
振り払われちゃうか。
―――ねぇ棗
あたしね、今一番怖いよ
いつ棗に見放されるかって
あたし棗の役に立てないじゃん?
だからさ。
でも棗がそれで良いならあたしはいいよ
ね?棗――−‐・・・
「冷たッッ!!!」
「じゃぁ寝るな。」
「あー・・・びっくりしたじゃん!」
「120円ね。」
「・・・はぃはぃ」
「あははw取るかよフツーww」
「取る」
あたしはポケットからサイフをだして120円を取り出した。
「はぃ。」
棗がジローっとあたしの目を見つめる。
「??」
「目、赤い。泣いた?」
棗はあたしが泣いたことをチャラにしてるんだ。
そんな優しさに涙がまた込み上げる。
「昨日ホラー映画でも見た?」
ベンチにすわっているあたしを棗は上目遣いで見上げている。
そんな可愛い顔しないでよ。
萌えちゃうじゃん。
「見てないもん。」
「嘘つけ」
「見てないってば」
「じゃぁ何が怖くて泣いてんだよ」
――棗が優しいからだよ。だから見放されるのが余計怖いんだよ。
「何も怖くないもん」
「ゴミ?」
「うん」
棗はきっとゴミなんかだと思っていないんだろうな。
意地悪・・・
「空きれぇ・・・」
「久しぶりの夕焼けだね」
「・・・だな」
「帰ろっかぁ??」
「そうするか」
「うん・・・」
――――――――――
「ただいまー」
「おかえり」
あたしは靴を脱ぐとそのまま茶の間にいった。
お父さんの写真の前につくと
線香を炊いた。
―――チーン
何処までも続きそうな音が響く。
手を静かに合わせると頭の中で今日の出来事をお父さんに伝える。
手を離して立ち上がると踵を返して自分の部屋に戻る。
宿題をするにも棗から頭がはなれない。
今何してるのかな。
こりゃ完全に棗が好きになっちゃった。
でも棗があたしに好きになってくれるなんて有り得ない。
切ないなぁ。
切ないよ。
切なすぎる。
――意地悪。
シャーペンを置くと宿題をバッグへしまう。
結局2時間も宿題に使ってしまった。
お母さんが「ご飯よ」と呼ぶ。
直後、携帯電話が鳴る。
急いで携帯を開くと
通話ボタンを押す。
―――そして
優の息が切れた声が耳に入る
早いですね。もう此処まできました。
小5の私にも早々と感じられます。
楽しい冬休みはどうなるのやら・・・
さて。雑談もこのくらいにしておきましょう。
小説の反省文。
スペースをとりすぎた。
そして何より優と舞、どっちが話してるのか測定不明
ってところですね。
そして
嬉しいニュースが。
ミステリオ様からとても高い評価とコメント頂きました。
有難うございます。
まだまだ未熟の私にとって何よりの励みです。
長くなってすいません




