第壱話
「あ〜・・・疲れた」
「舞〜!おはよー!」
「ゆーい!!!おっはー!」
「え 疲れたってまだ登校時間なのにww」
「乙女はこの時間帯疲れるのよぉww」
AM8:00
今日も馬鹿馬鹿しい会話が教室に響く。
あたしに話しかけてきたのは
小栗 唯衣 同級生。
そして親友。
―――ガラ
あ。また誰か来たな。
と 思った。
けど皆は黙った。視点は一点。
そして
「きゃー!棗さん!!」
「棗君!!!」
女子は叫ぶ。
「舞!棗よ!」
「なっちゃーん!!久々の登校ww」
私の話しかけた相手。 そして視点の的
矢吹 棗
冷静な奴で冷たい奴。それで不良。そうやって思う人もいる。
けどあたしには分かるんだ。
いい奴だって。
叫んでる奴はほかでもない。
顔で人を選んで叫ぶ。
「その呼び方ヤメロや」
「嫌だ♪」
「・・・」
「なーつめ♪元気?w」
今棗に話しかけたのは
小倉 優
これでも男。兄弟が皆女だからか、
自分も女のようだ。
顔は女顔で可愛い奴。棗がいなけりゃ
このクラスでモテル奴1位だ。
ジャー
水道から水が出る。
それを飲む棗。
水道を止めるとスタスタと教室をでる。
「なつめー何処に行くのー?」
「寝る」
「俺も行くー♪」
棗はいつもマイペースで冷静沈着。
喧嘩も強ければ、勉強もしないくせに天才で
顔もよければ性格も本当は良い。
只 「めんどい」
という理由で大人も恐れず、女なんてどうも思ってない。
むしろ女は嫌い というくらいだ。
それと違って優は、いつも騒いでドジ。
そんなところも可愛いだろう。
あたしと棗とも幼馴染で
顔は良いが勉強してもダメ、喧嘩も弱い。
棗と比べたらアウト。
でも心は棗のように優しくて、棗にくっついて歩く。
――ガゴン
「やっぱ屋上は気持ちいや♪ねw棗w」
「寝るのには最高だょww」
「あー。女の子がここで寝たら襲われるかも・・・」
「嫌だー」
優とあたしだと変な会話が弾む。棗は聞いてるんだか聞いてないんだかで
一人、ベンチに仰向けになり空を見上げてる。
太陽が眩しいのか目を少し細めている。
透き通るような肌に何時も血が滲み、喧嘩をする。
信じられない。こんな綺麗な奴が喧嘩なんて。
「なっちゃーん MPかーして」
棗はポケットを探り、MPを貸してくれた。
私はイヤホンを耳に付ける。
優はスナック菓子をパリパリと食べる。
会話は沈み、今じゃお昼寝時間のようだ。
女嫌いの棗は
あたしに心を開いてる。
女のような性格の優にも
心を開いて 行動するときは一緒。
いっつもそうだった。
こんなあたしに心を開いてくれる理由。
そしてもっとも残酷な
涙も笑顔もでなくなった理由――――
これからも読んでいただけるとうれしいです。
次に更新するのはできるだけ早めにいたしますので
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