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 不 良   作者: まー
2/18

第壱話

「あ〜・・・疲れた」


「舞〜!おはよー!」


「ゆーい!!!おっはー!」


「え 疲れたってまだ登校時間なのにww」


「乙女はこの時間帯疲れるのよぉww」



AM8:00

今日も馬鹿馬鹿しい会話が教室に響く。

あたしに話しかけてきたのは

小栗 唯衣  同級生。

そして親友。


―――ガラ


あ。また誰か来たな。

と 思った。

けど皆は黙った。視点は一点。


そして


「きゃー!棗さん!!」

「棗君!!!」


女子は叫ぶ。


「舞!棗よ!」


「なっちゃーん!!久々の登校ww」


私の話しかけた相手。 そして視点の的


矢吹 棗


冷静な奴で冷たい奴。それで不良。そうやって思う人もいる。

けどあたしには分かるんだ。


いい奴だって。


叫んでる奴はほかでもない。

顔で人を選んで叫ぶ。


「その呼び方ヤメロや」


「嫌だ♪」


「・・・」


「なーつめ♪元気?w」


今棗に話しかけたのは


小倉 優 


これでも男。兄弟が皆女だからか、

自分も女のようだ。

顔は女顔で可愛い奴。棗がいなけりゃ

このクラスでモテル奴1位だ。


ジャー


水道から水が出る。

それを飲む棗。

水道を止めるとスタスタと教室をでる。



「なつめー何処に行くのー?」


「寝る」


「俺も行くー♪」



棗はいつもマイペースで冷静沈着。

喧嘩も強ければ、勉強もしないくせに天才で

顔もよければ性格も本当は良い。

只 「めんどい」

という理由で大人も恐れず、女なんてどうも思ってない。

むしろ女は嫌い というくらいだ。


それと違って優は、いつも騒いでドジ。

そんなところも可愛いだろう。

あたしと棗とも幼馴染で

顔は良いが勉強してもダメ、喧嘩も弱い。

棗と比べたらアウト。

でも心は棗のように優しくて、棗にくっついて歩く。



――ガゴン


「やっぱ屋上は気持ちいや♪ねw棗w」


「寝るのには最高だょww」


「あー。女の子がここで寝たら襲われるかも・・・」


「嫌だー」


優とあたしだと変な会話が弾む。棗は聞いてるんだか聞いてないんだかで

一人、ベンチに仰向けになり空を見上げてる。

太陽が眩しいのか目を少し細めている。

透き通るような肌に何時も血が滲み、喧嘩をする。

信じられない。こんな綺麗な奴が喧嘩なんて。


「なっちゃーん MPかーして」


棗はポケットを探り、MPを貸してくれた。


私はイヤホンを耳に付ける。

優はスナック菓子をパリパリと食べる。

会話は沈み、今じゃお昼寝時間のようだ。



女嫌いの棗は

あたしに心を開いてる。

女のような性格の優にも

心を開いて 行動するときは一緒。

いっつもそうだった。


こんなあたしに心を開いてくれる理由。



そしてもっとも残酷な




涙も笑顔もでなくなった理由――――


これからも読んでいただけるとうれしいです。

次に更新するのはできるだけ早めにいたしますので

よろしくおねがいします

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