第十三話
あれから1ヶ月。
受験日も迫っている。
が
しかし
中学3年生という青春、この青春は年を取ってから後悔する人が多い。
その後悔する人の中に入らないようにする
という目標がいつの間にか・・・
勉強は棗に教えてもらうだけで、もう青春なのだが
遊ぶのが一番だ。
と、言う事で・・・
「せーえーらー服をーぬーがーさーないで♪」
「次の曲何にしよう・・・」
「ってか棗も歌えよー」
「タンバリン借りてくるー」
遊んでます。
「喉かわかない??」
「かわいた。」
「ってかもう時間じゃん」
「帰りますか。」
「だね」
「ありがとうございましたー」
「あーぁ。お金なくなっちゃうねー」
「んー。そうだね。」
唯衣の言った事はその通りだった。
「勉強、そろそろしないと・・・」
「今日なっちゃんと舞ちゃん家いってもオッケー??」
「あたしは良いよw」
「別にどーでも。」
だったら決定だね、と、唯衣が微笑む。
無邪気な笑顔は可愛らしかった。
「おじゃましまーす」
「仏壇は??」
「そっちぃー」
――
「で、此処なのですが・・・」
棗に勉強を教えてもらう事は、かなりの満足度、
そして青春度、そんでもって学力度が10.9ポイント上がる。
なんだか自分で言っている事に突っ込みどころが満載だが、
好きな人と勉強するのは、青春だな、って感じがする。
「自然に触れたいぜ・・・」
「行き成りなんだよぅ、舞ちゃん。」
「東北行きたい・・・」
「だねー。自然豊富・・・」
「勉強もう教えるの疲れたんで寝る。」
「はやwww」
「じゃぁ、俺等は帰る??」
「うん。」
「途中まで送っていくよ」
「有難う、舞」
―ガチャ
ドアを開ける。
外はもう暗い。
「ねぇ、棗のお母さん、白血病で死んだじゃん?」
「うん」
「白血病って遺伝子とかあるんじゃなかったっけ??」
「そうなん??唯。」
「うん・・・もしかして棗・・・なーんちゃって」
「・・・」
白血病って白血球が・・・
血が止まりずらくなるって聞いた事がある―。
棗・・・もしかして・・・
悪寒が過ぎった。
「舞、顔色悪いよ??ここまで出いいよ、もう帰ったほうが・・・」
「あ・・・ごめん・・・じゃぁ帰るね。バイ」
「バイバーイ」
後ろを振り返るともう唯衣達は見えなかった。
でも何故か背後に何かを感じる。
恐い・・・
走った。
棗の家はまだ距離がある。
その途端・・・
「んんんっっ!!!!!!!」
後ろから誰かに押さえつけられた。
口を塞がれたから叫べない。
そのまま黒い車が来た。
それに力ズクで乗せられた。
恐い
恐い
何??何なの??
運転しているのはいかにも不良のような人。
どこかで見た事がある。
この人は・・・
渋谷ホテルの路地をまっすぐいった・・・
棗が流血した・・・
あの人だ。
「やぁお姉ちゃん、久しぶりだねぇ」
バックミラーで顔が見える。
手首を後ろで縛られる。
そしてあの路地の工場へ行く。
助けて・・・
あたし、死ぬの??
「で、お姉ちゃん。お名前は??」
「っ・・・」
「言わないと・・・殺すよ??」
首元にナイフを突きつけられる。
「そんなに泣いたって無駄無駄。お名前は??」
「舞・・・北野舞・・・ッッ」
「ほーう。俺が舞ちゃんを誘拐したのはね、棗をおびき寄せるためなんだよね。」
ペラペラと喋り続ける。
「それで、棗はいい奴だからねー。だから舞ちゃんを殺すって言えばあいつは犠牲に
なるわけよ。」
「つ・・・つまり・・・?」
「棗を殺す」