信頼できる仲間達
【博麗神社──霊夢と朝田三佐】
薄暮の神社境内。風鈴が静かに揺れる中、霊夢は神社の縁側で朝田三佐と向かい合っていた。
霊夢「……どうして、あんなに迷いがないの?」
朝田三佐「迷いならあります。ただ、それでも進まなきゃいけない時がある。守りたいもののために」
霊夢は静かに目を伏せる。そしてぽつりとこぼした。
霊夢「私……あなたとなら、一緒に未来を考えられるかもしれない。博麗の巫女としてじゃなく、ただの“私”として」
朝田は驚いたように目を開き、すぐに優しく微笑む。
朝田三佐「それは、私にとっても光栄なことです。……霊夢さん」
【魔法の森──魔理沙とアレン少佐】
星の輝く夜、魔理沙の家に招かれたアレン少佐は、膝に黒猫を乗せながら、魔理沙の茶を啜っていた。
魔理沙「戦う理由って、何だ?」
アレン少佐「そうですね、まずは仲間のため。国のため。そして、時に……自分のために」
魔理沙は照れ隠しに帽子を目深に被る。
魔理沙「あんた、本当に真面目なんだな……でも、嫌いじゃないぜ。あたし、そういうの弱いんだよ」
アレンは少し戸惑いながらも、魔理沙に目を向ける。
アレン少佐「君のような人がいるなら、幻想郷は絶対に守られる。……そう確信しています」
【アリス邸──アリスとマルク大尉】
部屋には人形たちが整然と並び、静寂が包んでいる。
アリス「あなた、人形に名前をつけたことある?」
マルク大尉「……ないです。でも、武器には名前をつける兵士もいます。信じるものに意味を持たせるのは……強さになります」
アリスは少し微笑んだ。
アリス「それ、ちょっと素敵ね。今度は私が、あなたに名前を教えてあげるわ。人形たちの、全部ね」
【紅魔館──レミリアとナイジェル中佐・スターリング少佐】
大広間のシャンデリアが揺れ、レミリアと咲夜、そしてナイジェル中佐とスターリング少佐が対面していた。
レミリア「あなたたちの戦い、忘れないわ。あの日、紅魔館を救ってくれた……紛れもない英雄よ」
スターリング少佐「光栄です、それでも……任務を果たしただけです」
ナイジェル中佐「自分たちは使命を果たした、ただそれだけの話ですよ」
咲夜は紅茶を注ぎながら微笑んだ。
咲夜「その言葉が、一番誇り高いわ」
【華扇邸──華扇とパク大尉】
夜の山間、灯籠の火に照らされる中、華扇は静かに語りかける。
華扇「あなたは祖国と幻想郷、どちらに忠を尽くすの?」
パク大尉は即答しなかった。だが、目は真っ直ぐだった。
パク大尉「祖国はもちろんです……が今は、幻想郷を選びたいですね。あの戦場を見たからこそ。無力な者が犠牲になる姿を、これ以上見たくないんです」
華扇は静かに頷いた。
華扇「なら、私はあなたを信じる。信頼に値する人だと、思えたから」
【地霊殿──テハン少尉と古明地こいし】
こいしは無邪気に笑いながらテハン少尉に問いかけた。
こいし「こわいことってある?」
テハン少尉「……たくさんあります。でも、それでも誰かのために動けるなら、それでいいんです」
こいしは小さく笑った。
こいし「へえ、じゃあ私、あなたの“こわくないもの”になってあげる」
テハン少尉は苦笑いしつつも、心の奥に温かいものを感じた。
こうして、それぞれの少女たちは、自らの心に深く響いた軍人たちと向き合い、語り、絆を育んでいく。
それは、幻想郷と現実世界の境界を越えた、“心と心”の橋となっていく――。