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第63章:沈黙の計画


【ロシア・国家安全保障会議/クレムリン地下会議室】

重厚なドアが静かに閉じる音の中、ヴェルニエフ大将が一枚のファイルを手渡す。

そこには精緻に練られた**「ザリヤ計画・段階的遂行案」**が記されていた。


プーチン大統領(冷淡な口調で):「……2年後、か。随分と大人しい計画だな」


ヴェルニエフ:「偽装こそ、最大の攻撃です。ウクライナ情勢が片付くまで、“沈黙”こそが力となる」


ショイグ国防相は数秒沈黙したのち、静かに書類にサインを入れる。


ショイグ:「武器商人とテログループの散布は?」


ヴェルニエフ:「予定通り。ただし7ヶ月後に限定的に動かします。直接ではなく、“別の戦線”として幻想郷に揺さぶりをかける」


【幻想郷・妖怪の山上空/NATO仮設空域管制センター】

マクファーソン准将は日本・米英各軍将校と共に、多国籍基地建設案の第2段階にサインを下ろす。


マクファーソン:「幻想郷はもはや“中立区域”ではない。外の世界の暗部が手を伸ばしてきている。

我々はただの来訪者ではいられない。責任を果たすべきだ」


会議室のスクリーンには、CIAからの最新の「ロシア・北朝鮮・武装勢力の接触情報」が映し出されていた。


【八雲邸・境界の間】

紫は静かに茶を啜りながら、結界の向こうを見据えていた。


八雲紫:「幻想郷を守るために“幻想”だけでは足りない。現実という毒も、時に結界に必要なのよ……」


隣には八雲藍が控え、書類の束を手にする。


八雲藍:「基地設置については賛否があります。永遠亭や天界、地獄からも異論が」


紫はそれを制し、


紫:「構わない。力なき理想は、滅びの予兆。

幻想郷を生かすには、世界の真実もまた受け入れなければならない」



世界の影が静かに迫る。

ロシアは装置を“眠らせ”、世界に虚を突く機を窺い、

幻想郷は、守るべきものを選び、現実との接続を強化し始めた。

二つの沈黙は、確実にその深度を増していく――。

次に動くのは、“誰”か。

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