世界観設定と資料
ザリャ装置 技術概要
原理: 「ザリャ」はソ連期に極秘開発された物理転送装置で、物質の瞬間移動を可能とする。理論的には量子エンタングルメントや相対性理論上のワームホール生成を応用するとされ、近年の研究では量子コンピュータによる「ホログラフィック・ワームホール」実験に類似する概念が確認されている
。
エネルギー源: 制御に高出力原子炉や新型核動力巡航ミサイル「ブレヴェストニク」の原子炉実験と類似した推進系を用いた可能性が示唆される
。2019年:8月リョクサ試験場での事故は、ザリャ実験に関連する核エネルギー源の制御失敗によるものと一部推測されている
運用体制: 崩壊後もロシア当局によって極秘に維持・改良され、陸・海・空軍の最上級研究機関が共同で管理。国防総省直轄の研究センター群やKGB(現FSB)特殊部隊が関与した記録がCIA文書に残る
。研究者は国家機密として隔離され、一般向けの研究発表は禁止されてきた
過去の事故・事件記録
1977年: CIA解禁資料によれば、ソ連は軍事目的の超心理学・並行次元研究プログラムを極秘に実施していた
。同年、実験施設で不明火災や爆発事故が数件発生し、多数の研究者が行方不明となった記録が断片的に存在する。詳細は機密指定。
2014年7月: ウクライナ危機激化に伴い、ロシアの北方艦隊ノリョクサ試験場で新型巡航【ツィルコン】
ミサイル試験中に爆発事故が発生。公式発表では原子炉実験中の事故とされるが、約5名の技術者が死亡
。同月にはマレーシア航空MH17便が撃墜され、後にロシア第53航空旅団が関与と判明した
。米欧はこれらを連動した兵器開発活動と疑念を持つ。
2019年8月: 同ノリョクサ試験場で再び核関連事故。
ロシア国営原子力機関は5名の科学者が死亡と発表
。衛星画像や放射線観測から、極超音速ミサイル
ブレヴェスニク発射実験の失敗と推測される。
2022年1月: 中央軍管区配下の第151自動狙撃師団(ヴェルニエフ上級大将指揮)がシベリア演習中に全連絡途絶。2週間後、師団兵全員が帰還したが、帰還者の約7割に深刻な記憶障害・精神異常が認められた。軍内部では遭難説が公式扱いとなったが、ロシア高官は「北極域で未曾有の時空現象に遭遇した」と内密に示唆している。
2023年: NATOインテリジェンスはロシアの極秘研究に再注目し、1970~80年代ソ連のパラサイコロジー研究資料
や最新の量子ワームホール実験報告
を分析。幻想接続という極秘プロジェクトの存在を示唆する情報を共有。
2024年7月: ワシントンD.C.で開催されたNATO首脳会議パートナーセッションで、日本の岸田首相が「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と発言
ロシア脅威の国際連携強化を表明。日米欧は極秘裏に幻想郷を「リスク空間」と認定し、調査チームを編成した。
2025年初頭: ロシア軍特殊部隊による「オムスク計画」が始動。公式文書には「元ソ連圏回復の遺産作戦」と記載。ザリャ装置による幻想郷リンク実験が行われ、ヴェルニエフ派が侵攻を企てる。NATO・日米同盟は直ちに介入準備を進めており、幻想郷保全のため防衛計画
《グローバル・シールド》を始動させる。
幻想郷(異界)への認識と対応
ロシア軍・諜報機関: 幻想郷は戦時文献には未記載の謎領域だが、ツングースカ大爆発や奇妙な失踪事件(例:エストニア領内での軍人数名の神隠し伝説)と結び付けて研究対象としている。ヴェルニエフら極右派は数々の民間伝承を実在すると見なし、幻想郷を「管轄領」「飛地」と位置づけた。GRU文書では「"極地的転移ゲート"」とも表現され、結界破壊により資源・地政的利点を得る企図が確認されている。
幻想郷側: 博麗大結界は明治期に張られた超自然結界で
常人には薄れ始めている
。霊夢・紫ら幻想郷を守る勢力は、幻想郷の妖怪と人間の共存を維持するため、外部世界からの侵入を厳重に警戒してきた。彼女らは異変時にのみ結界を操作し、外界情報に疎い住人たちを守っている。
各国の対応と連携状況
NATO(北大西洋条約機構): 2022年の戦略概念でロシアを「同盟にとって最も重大かつ直接的な脅威」と明言
。東欧・バルト海域への部隊増強と同時に、情報共有体制を強化。ロシアが沿岸ケーブル等のハイブリッド攻撃を企図しているとの報告を受け、防衛態勢を「撃退する防御」へ転換中
アメリカ: 偵察衛星とサイバー監視でロシア実験を監視。欧州軍(EUCOM)は極秘に特殊作戦計画を立案し、米特殊部隊は北極基地に待機。米政府は多国間枠組みで放射線・異常現象検知システム構築を推進中。
日本: 岸田内閣は岸田首相自らウクライナ支援を掲げつつ、NATO首脳会合への参加を継続
。防衛省は護衛艦「はぐろ」を中心に極東海域の警戒監視を強化
。内閣安全保障会議でロシアの異次元技術対策が検討され、文部科学省・国土交通省・公安委員会・防衛装備庁
防衛省情報本部・内閣調査室と連携し幻想郷を調査している。
バルト三国: バルト防衛議定書に基づき軍事支出を対GDP比2%以上に維持
。2022年以降、米・独などNATO部隊を常駐させ領海・領空防衛を強化。エストニア情報局長カウポ・ロシンは
「ロシアは西側との長期対立を覚悟しており、10年以内の衝突も想定している」と報告している
他国(英国・豪州・韓国など): 英国は衛星偵察で北極海のロシア基地活動を監視。豪州は極秘に極地研究所を通じてサンクトペテルブルク地質研の調査を支援。韓国情報機関は北朝鮮・中国の動向とともにロシア東部の異変を分析、国連安全保障理事会でもロシアの新型兵器
【オレシュニク】実験への懸念を提起している
主要人物ファイル
ヴェルニエフ上級大将(架空): ソ連崩壊前の特殊部隊
【スペツナズ】出身。資極東帰還兵団指揮官として評判だった。
ソ連崩壊後に様々な紛争に参加し自らの思想・理念
を模索するようになった
その後、超国家主義組織「ベア グループ」を創設し、ソビエト復興を旗印に権力基盤を築く。量子科学を併せた物理転送技術に着目し、ロシア国防省ザリャ装置の再起動を主導。現在はオムスク近郊に配属し、ソビエト復興計画を練る。
プーチン大統領: 旧ソ連KGB出身。2014年のクリミア併合、2022年ウクライナ侵攻を経て権威を高める。歴史講義や演説で「失われた領土の回復」を正当化しており
ザリャ計画には黙認的。近年はロシア正教会との結託を強め、科学・宗教の両面から幻想郷の魔力に関心を持つ兆候がある。
岸田文雄(日本国首相): 自民党出身。内政では経済再生と憲法改正を目指すが、外交では「ウクライナは東アジアの明日」として日米欧連携を重視
。対露制裁強化を主張すると同時に幻想郷勢力への理解は浅い。首相周辺に幻想郷問題検討チームが内閣調査室に組織されている。
カウポ・ロシン(エストニア国防情報局長): 「西側との対立を想定」と明言したエストニア情報局長
。前職はNATO東部軍指令部。バルト諸国の安全保障戦略を策定し、「ロシアのゲームチェンジャー技術に警戒が必要」と訴えている。ロシア異常現象専門の小規模諜報部隊を率い、北極海ミッションにも参加。
参考資料: 公式報道・専門誌記事および軍事文書
以下まとめ
タイトル:幻想交戦 ― NATO視点
第3章:時空の裂け目
2025年5月某日、ドイツ・ラインラント=プファルツ州。
アメリカ空軍の欧州拠点であり、NATOの戦略中枢のひとつでもあるラムシュタイン空軍基地で、未明に異常事態が発生した。レーダーシステムが検知したのは、「空間のねじれ」だった。最初は電子妨害とみなされたが、基地北西に隣接する森林地帯の大半が一夜にして“置換”されていた。
「……衛星画像の更新を要請。これは現実か?」
NATO統合作戦センター(JOC)内、スクリーンに映されたのは異常な植生――幻想的なまでに彩られた深緑の樹海。そしてその奥には、存在するはずのない木造の小屋と、そこに佇む一人の少女がいた。
彼女の名はアリス・マーガトロイド。
魔法使いを自称するこの存在との接触は、当初「精神錯乱かロールプレイヤーのいたずら」と片づけられたが、事態はそれで終わらなかった。
同日早朝、NATOブリュッセル本部
最高安全保障会議が緊急招集された。
ドイツ連邦軍、アメリカ欧州軍(EUCOM)、NATO事務局長イェンス・ストルテンベルグ、そして英仏各国の安全保障顧問たちが集まり、共通する懸念を口にする。
「これは単なる自然現象ではない。空間ごと、どこかと“つながって”いる。」
レーダーおよび衛星にて追跡していたはずの**海上自衛隊・護衛艦『きりさめ』**が突然消失した事件と、この“置換現象”との間に因果関係があるのでは――という仮説が浮上したのだ。
第4章:過去に封じられた計画 ―「ザリヤ装置」
1977年、旧ソ連バイコヌールにおいて極秘裏に進められていた実験計画が存在する。
コードネーム:ザリヤ装置(ZARYA Device)。
それは、量子転送技術を流用した
物理転送技術の試験装置であり、成功すれば次世代の“移動手段”や“空間移動システム”技術の礎となるはずだった。
だが、初期実験は制御不能となり、1部の研究施設ごと空間に“囚われ”、50名を超える研究員とともに失われた。
ブレジネフ書記長の判断により計画は失敗とされ、
資料はすべて秘匿された。
現在、装置本体はロシア国防省によってシベリア・オムスク近郊に厳重保管されているとされている。
そして2014年――再び起動した「ザリヤ」
ウクライナ危機とクリミア併合の最中、超国家主義的思想を持つロシア軍幹部ヴェルニエフ上級大将率いるグループは、このザリヤ装置を再稼働させた。
2014年10月、シベリア【オムスク7】
実験施設で装置は起動され、大規模なブラックアウトを引き起こした。制御不能に陥った装置の出力により、実験参加部隊が1個師団ごと行方不明となった。
1週間後、ヴェルニエフらは戻ってきた。彼らは語った――
「我々は、“世界の裏側”を見た。名もなき者たちの国。幻想郷と名乗る地に。」
第5章:NATOの危機と「オムスク計画」の影
2025年、ヴェルニエフらは、再びザリヤ装置を用いて新たな計画に着手する。
コードネーム:オムスク計画(Omsk Doctrine)。
目的は幻想郷をロシア領土化し、そこを「空間拠点」として旧ソ連構成国――バルト三国やウクライナへの圧力手段とすること。さらには極東にも影響を与え、太平洋進出にもつながる、ザリヤ装置の空間歪曲力が制御できれば、ロシアは事実上、世界の“地政学的ルール”を超越することになる。
この情報が、ドイツ国内情報機関(BND)を経由してNATOに伝えられたのは2025年5月15日。
NATOは即座にこの計画を「第三種軍事リスク」と認定。幻想郷との接触と並行して、ロシアの異常活動の真相解明と阻止工作を始動させた。