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囚われた博麗の巫女


【妖怪の山 南部・敵拠点付近・0730時】

谷間の旧鉱山跡地に、テントとカモフラージュネットが張り巡らされた臨時拠点が構築されていた。周囲の木々には赤外線センサーと即席のIED。地雷原も張られており、まるでゲリラの巣窟にしては異常なほど軍事的に整っていた。そしてテクニカル

【ハイラックス・ランドクルーザー70】


「巫女の拘束完了。状態安定、だが意識不明」

「連行時に精神波動が急上昇した。妙な技術を持ってるかもしれん。慎重に扱え」


ロシア製の暗視装備、イラン製の通信機器、そしてソ連式のコンパス。


この拠点の設営法――それ自体が「ロシアとイランが後方支援している」明確な証拠だった。


【NATO前線指令所・0740時】

シュビッツ中佐「確認する。敵は“霊夢”を生け捕りにした。場所は山腹第2稜線、北東斜面付近と思われる。

地上早期警戒管制機ピースアイがE-MTIレーダーで追跡中。アヴェンジャー投入済み」


ドイツ軍のKSK特殊作戦部隊とイタリア陸軍の第11機甲連隊が、幻想郷の味方と連携して迎撃行動を開始。


朝田三佐は、タブレットの地図を指差しながら言った。


朝田三佐「魔理沙さん、早苗さん、申し訳ないですが――こっから先は軍の作戦行動区域だ。僕たちが主導で行くことになります」


「だから何だ、霊夢は私の――私たちの仲間だよ!軍がどうこう言う前に、助けに行く!」


魔理沙の怒りを込めた言葉に、朝田は静かに言った。


「違う!だからこそ、僕たちも行く。あなた達を見捨てるつもりない、こうなったのは自分の責任でもある、それに自分は約束しました、霊夢さんと守るために戦うと、約束を果たす時が来たんです」


その言葉に、早苗は思わず目を見張った。


「三佐……」


山森一佐「我々、レンジャー部隊を前線投入する。俺も行く。君たちも協力していただく、彼女を、必ず連れ戻します」


【北東稜線・0810時】

前方に現れたのは、旧式だが未だ脅威の存在――T-72BV。旧ソ連製だが、爆発反応装甲を搭載し、周辺警戒を怠らない。


対するはイタリア陸軍のチェンタウロII戦闘偵察車。120mm滑腔砲を備えた輪車装甲車は、素早く岩陰に位置取りを取る。


「目標、敵戦車。装填よし、照準よし――撃て!」


ドゴォンッ!


チェンタウロの砲身が火を噴く。対戦車榴弾がT-72の側面に命中――装甲が爆裂し、火花と黒煙が山腹を覆った。


「命中!敵車両、撃破確認!」


「続け、次の目標は……」


そこに飛来するのは、上空からの支援――アヴェンジャー無人機。


ステルス性を持ち、GPS誘導爆弾とEO/IRセンサーを搭載したその無人機は、静かに敵後方をスキャンし続けていた。


【敵拠点・0830時】

霊夢が目を覚ました。


「……ここ、どこ……っ」


拘束具と何らかの医薬品・痺れ薬。相手がどれだけ情報を持っているかを、彼女は肌で感じていた。


「――誰、あんたたち……?」


「ただの“反乱者”さ。君の力が、俺たちを“解放”するんだよ」


その時、彼女の目が――闇を裂くように鋭く光った。


【魔理沙側・0845時】

「霊夢は、生きてる」

魔理沙の目が、力強く光る。


「私が行く。連れ戻す、絶対に」


魔理沙、早苗、レミリア、そして自衛隊レンジャー部隊・KSK・イタリア山岳部隊・アメリカ軍・NATOの共同戦闘救出作戦が開始された。


敵は、ただのテロリストではない。戦争の裏に潜む“技術と国家の影”が見え始めていた。

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