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フーシ派の脅威・鍛えられた動き



博麗神社・0545時


「……こちらが、ピースアイが捉えた画像です」


朝田三佐は静かにタブレットを霊夢に差し出した。画面には、山肌を迂回しながら進軍する複数の熱源。サーモグラフィは明らかに軍事訓練を受けた集団の動きを映している。


「この部隊……幻想郷に入ってきたのか?」


霊夢が問い返す。朝田は一瞬、言葉を選ぶように沈黙したのち、真っ直ぐに彼女を見た。


「はい。昨夜、敵の一部が山中地下ルートを経由して侵入した可能性が高いと分析できます。

彼らの移動パターンは、ロシア軍の山岳侵入戦術に酷似している……明らかに、即席の集団ではありません、計画を立て訓練された部隊です」


「訓練されてる、ってわけね」


「恐らく、イエメンのフーシ派戦闘員にロシア軍教官が協力しているものと見られるかと。さらに、その背景にはイランの関与もあるてしょう」


霊夢はふっと視線をそらし、空を見上げた。

「幻想郷が……本当に、巻き込まれるのね。"現実の戦争"に」


「……お言葉ですが……幻想郷はすでに戦略的な“標的”となっています。我々としても、すでに情報共有体制をNATOと構築し、山中への対応部隊を展開します」


朝田はそう言いながら、端末を霊夢に見せた。


「本日中に、イタリア陸軍のチェンタウロII装甲車両とドイツ連邦軍山岳猟兵大隊が到着する予定です。既に航空偵察も進めており、レンジャー部隊を展開させます」


霊夢は、その言葉に少し驚いたように眉を上げた。


「そう….世界が本気で、幻想郷に来てるのね」


「……はい。幻想郷の未来に責任を持つ方々が、行動を始めています」


妖怪の山 北西尾根・0630時


「確認、敵は5分前にこの尾根を越えて移動。座標リレーを追跡中」


レンジャー部隊の斥候が低い声で無線を送る。ドイツ軍とイタリア軍の小隊が、逐次標高を上げながら索敵を展開していた。


隊員たちは、従来のNATO装備に加え、幻想郷の環境に適応した擬装迷彩と熱源探知対応センサーを装着している。


「こいつら……ただの武装勢力じゃないな」

「地形と風向きを熟知してる。"誰か"が、この地図を渡してる」


通信が続く中、レンジャー隊の1人が不意に動きを止めた。


「待て、視認……! 小型無人偵察機発見! イラン製のShahed-136型……!」


直後、銃声と爆発音が谷を貫いた。


敵はただのゲリラではなかった。空と地を一体運用するハイブリッド戦術。NATO兵は、即座に陣形を散開し応戦を開始する。


その頃、霊夢は現場に向かっていた──

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