第6章:極秘プロジェクト「ザリャ」:幻想郷接続計画
ロシア連邦【クレムリン】
極秘プロジェクト「ザリャ」:幻想郷接続計画書
ブリュッセルのNATO諜報本部には、2014年のマレーシア航空機撃墜事件でロシア第53航空旅団の関与が裏付けられたとの情報が飛び交っていた
極東で起こった放射性試験事故で科学者5人が死亡した件にも触れていた
背後で動くロシアと「ザリャ」装置の存在を知ったNATOは、事態を極秘に検証しつつ、日本や欧州に情報共有を急いでいた。
一方モスクワでは、ヴェルニエフ上級大将がプーチン大統領の私邸に招かれていた。
ヴェルニエフはロシア復権の夢を語る。「幻想郷を祖国の飛地とし、失われた領土と力を取り戻す時が来た。我々は旧ソ連の英雄となるでしょう!」と――。プーチンは黙って頷く。その眼光には、東方正教の復活とソビエト再興への執念が宿っていた(プーチンは「ウクライナは存在権なし、歴史的ロシア領の回復は正当」と主張している。
会議が終わるころには、ヴェルニエフ派による極秘作戦名《オムスク計画》が正式に動き出していた。
幻想郷では、異変に気づいた住人たちが動き出した。博麗神社の空には謎めいた雷雲が巻き起こり、結界が時折ちらつく。霊夢は空に浮かぶ怪光を見逃さず、不安げに調査日誌を読む。「何か大きな力が結界に作用している…」と呟く。八雲紫もまた、密かに異空間へ開いた穴を感知する。彼女の間者である魔理沙は、霧の湖に停泊中の護衛艦「きりさめ」からのモールス信号を傍受し、「湖の向こうで異常事態発生か」と報告を受けていた。 護衛艦「きりさめ」(JMSDF
Kirisame DD-104)は、むらさめ型護衛艦の4番艦である
その頃、アメリカ政府は極秘裏にイージス艦ジョン・フィンを極東へ派遣し、未知の異常現象を追跡させていた。艦長たちは連日、海域に漂う特異なエネルギーパターンと太平洋付近の磁場異変を解析している。やがて「ジョン・フィン」艦上に異界接続の手掛かりが届くと、彼らは「博麗結界への干渉反応」と報告した。 幻想郷の協力者──博麗霊夢、八雲紫、霧雨魔理沙、アリス・マーガトロイドら──は緊急会議を開いた。結界の異変はロシア軍の極秘装置「ザリャ」によるものと確信し、協力を要請する。
魔法と妖力を駆使する彼女らの前に、旧ソ連科学者の負の遺産とも言える「物理転送技術」が立ちはだかる。だが霊夢は言う。「幻想郷の外に仲間はいない…。ならば結界の守護者として、私たちが立ち上がらねば」。アリスも道具の精霊に命じて結界強化の準備を進める。 そして東西両勢力は諜報線を開始しする。「幻想郷」をめぐる戦いに、
各国との駆け引きと政治劇に臨む