表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/218

第26章:幻想博 - 交差する歴史と文化と未来

幻想郷・人間の里外れ――

晴れ渡る青空の下、広大な広場に各国の国旗が風にたなびいていた。


その中心には、博麗神社の神主・霊夢と、

幻想郷の関係者たち、日本の外務官僚、NATO軍幹部、そして自衛隊の幕僚たちの姿。


幻想郷初の国際博覧会――“幻想博げんそうはく”の開会式である。


「……皆さま。本日は、この幻想郷という特異な世界で、

文化・歴史・軍事・平和の交流を行えることを誇りに思います」


開会の言葉を述べるのは、日本国総理・石破茂。

壇上に並ぶのはアメリカ、フランス、ドイツ、イギリス、韓国、オーストラリア、台湾、リトアニア、ポーランド、チェコなどの各国代表。

そして霊夢、アリス、魔理沙、八雲紫、レミリア、神奈子といった幻想郷の主要人物たちが居並んでいた。


陸上自衛隊音楽隊により日本国歌が演奏され彼等が奏でる音楽が響き渡る

各国はそれぞれのブースを設け、文化・食・技術・軍装備などを展示。


アメリカブースではF-22の模型とともに、自由と民主主義の価値を紹介。

フランスは文化芸術とレジスタンスの歴史を語る。

日本は自衛隊装備とともに、能や書道、和食を展示。

幻想郷側も巫女の儀式、魔法実演、妖怪伝承、紅魔館の美食などを紹介。

来場者は幻想郷の住人と外の世界の人間が入り交じり、言葉を交わし、写真を撮り合い、料理を分け合った。


子どもたちが自衛官の手を引いてブースを回る光景や、

文と他国のジャーナリストが共同取材する姿もあった。


◆“理解”こそが最大の武器


この祭典の真の意義は、単なる娯楽ではない。


「互いを理解し、誤解と対立を防ぐこと」


この地に、強大な異文化が流入することにより生じる摩擦。

それを乗り越えるための第一歩を、幻想郷と外の世界が共に踏み出したのだ。


オーストラリア大使が語った。


「この地で開かれるこのイベントは、我々にとっての縮図だ。

対立するばかりの世界が、共に言葉を交わし合う“場”の重要さを思い出させてくれる」


米軍のマクファーソン准将も語る。


「武器を交えるより、酒を酌み交わしたいものだな。

この地でそれができたのは、あなた方――幻想郷の人々の懐の深さゆえだ」


◆幻想郷の少女たちもまた


天子は各国の文化に強い興味を示し、

「この“パレード”っていいわね! 今度私も主催してみたいわ」

と笑顔で語る。


レミリアはフランス代表と流暢なフランス語で語り合い、

彼女の過去の記憶が再び蘇るように、懐かしそうに夜のパビリオンを見つめていた。


河城にとりはアメリカ軍の電子機器に興奮し、

「ねえ、これってもしかしてビーコン?…ちょっとだけ、触ってもいい?」と科学交流を始めている。


一方、山の天狗たちも、ドイツ軍の装備(ボクサー装甲車・Type181・レオパルト2A7)や戦術に目を光らせ、

訓練理論を見聞。


永遠亭の輝夜と永琳は医療支援展示ブースで衛生兵・医官と対話し、月の医学と外の世界の医療の比較を行う。

その横で鈴仙イナバは白い四角枠に赤い十字マークを描かれた3トン半救護車を見つめる

◆静かなる影と、強く灯る希望


そんな熱気の中――


遠くの木陰から、イベントを見つめる一人のCIA職員がつぶやく。


「平和を謳いながらも、各国はこの地に影響力を築こうとしている。

それが現実というものだ。だが――」


その視線の先には、笑顔で手を取り合う幻想郷の住人と外の世界の人々の姿があった。


「……だが、人の“心”までは操れない。

これが本当の始まりになることを……願いたい」

イベントに招かれた来賓の政府関係者達も本来の人々が

持つ心の温かさに触れる

一人の国会議員は呟く『国会議員として、我々が作らなければならい日本のあるべき姿は、この温い地域と街づくりだ』

その言葉に誰もが頷いた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ