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バンカーの闇と声」


冷たい鉄製の床が、魔理沙の体温を奪っていく。

どれほどの時間が経ったのか、魔理沙にはわからなかった。


鉄扉の奥から、低い機械音と無機質な女声が断続的に響いていた。


「メルツ首相……トランプ大統領……マクロン大統領……石破首相……スタマー首相……マクファーソン准将……霊夢……紫……」

「――うおおおおおっ……!」


魔理沙は頭を抱え、呻き声をあげる。

映像、音声、匂い、痛覚、あらゆる感覚刺激が交錯する。

しかしそれでも、脳裏には霊夢の顔と、最後に手を伸ばしてくれた朝田三佐の視線が残り続けていた。


研究者(焦燥気味に)

「クソッ……中々、洗脳がいかない……抵抗を示している」


扉が開き、ブーツの音が硬い床を叩いた。


ザカリン少佐

「どうだ、バルコフ」


研究者バルコフ

「はっ。予定通りに洗脳コードを刷り込んでいますが、彼女の精神が予想以上に強靭で……」


ザカリン少佐

「ほぅ…何が問題だ?」


バルコフ

「彼女の精神パターンが不安定なんです……。論理と直感が錯綜しており、他の被験者では成功した誘導プロトコルが通用しません」


ザカリンは苛立ちを隠さず、短く舌打ちした。


ザカリン少佐

「それでは意味がない。……クソッ、B案に切り替えろ。

薬物入りの食事、怒号による精神的揺さぶり、暗室で音声刺激を継続だ」


数時間後、別室 ― 密談

暗く狭い監視室。背広の男が2人、ザカリン少佐の報告を無言で聞いていた。


ヴェルニエフ上級大将

「……どうだ、ザカリン」


ザカリン少佐

「はっ。被験者K――魔理沙の精神は想定を超える屈強さを持ち、未だ洗脳は成功しておりません」


ゲラシモフ大将

「……洗脳が失敗すれば、ザリヤ装置による誘導も成立せん。幻想郷への侵攻計画は2年以内に始めねばならんのだ」


ヴェルニエフ

「加えて――西側は既に幻想郷に進出している。NATO、自衛隊、アメリカ軍……それらを内側から切り裂く手段が必要だ。魔理沙はその鍵だ」


ゲラシモフ

「それどころか、将来的な“西側主要軍事都市転送兵力”の軍事転用計画も行き詰まることになる。

少佐、どんな手段を使ってでも成功させろ。必要であれば、人体強制覚醒剤の使用も許可する」


ザカリン少佐

「……はっ!」


魔理沙(薄れゆく意識の中で)

「侵攻計画……? 幻想郷に……? ウクライナだけじゃ、なかった……。

オムスクで聞いた“噂”は……本当だった……」

電極が外され、再び冷たい床に押し戻される。

だがその目は、確かな怒りと危機感を湛えていた。


「霊夢……みんな……止めないと……。幻想郷が、やら

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