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「バンカー25 ― 地下で蠢く声」


● 日本界・オムスク原潜艦内(移送中)

厚い鋼鉄の隔壁に囲まれた無機質な室内。

室温は低く、空気には金属臭と消毒薬の匂いが漂っている。

魔理沙は拘束具に固定され、無言のまま目を覚ました。


魔理沙(うっすらと目を開ける)

「……っ、ここは……どこだ……っ?」


眼前に立っていたのは、フランス軍の軍服を装った男。だが、ワッペンの縫い目や言葉のイントネーション、細かい所作――

何かが"違う"。


魔理沙

「……フランス兵? いや、違う……あんた……誰だ?」


偽装兵(静かにフランス語でなくロシア語で)

「Переход начался.(移送は始まった)」


魔理沙の目が見開かれる。

次の瞬間、顔にマスクが押し当てられ、麻酔ガスによって再び意識を断たれる。


● 日本海→オホーツク海 → ウラジオストク:極東軍管区基地・地下施設

日付:2025年7月某日未明。


潜航を続けた原潜オムスクはウラジオストク沖合に到着。

偽装された輸送車で魔理沙は地下30mの軍用研究施設「第17収容棟」へと搬送される。


施設の壁面には旧ソ連時代の表記、赤文字で消されたKGBのロゴ。

ここは元・**精神操作実験施設「バンカー17」**の一部であり、今は“25”と改められていた。


● 「洗脳装置」稼働準備

研究員A(

「対象は異常なし。脳波反応、神経接続準備OK。標準言語:日本語での誘導を開始する」


司令役の軍人(階級章なし)

「西側の幻想兵力ファンタジック・フォースを知る魔理沙・K個体……その戦闘力、魔力、記憶全てを我らが掌握する……。計画"バンカー25"、ステージ1に入る」


(頭部に装着される銀色の電極、眼前には「ナラティブ・フィードバック装置」と呼ばれる特殊映像装置が起動する)


● 洗脳開始 ―「数字」を刻む

映像には次々と歴史的事件が流れる。

91年のクーデター、93年ブラックオクトーバー

94年チェチェン戦争、97年タジキスタン、02年ベスラン、08年南オセチア、14年のクリミア、22年のウクライナ侵攻――そして25年、「未来の戦争」。


機械音声(女性声)

「1991年、裏切りが始まる。

1994年、信念は炎に焼かれる。

……2025年、終焉の選択が訪れる」


魔理沙(うめき声)

「……っ、だれ……だ、おまえら……やめ……」


研究員B

「脳に直接、記憶と思考を“埋め込み”ます……彼女の“敵”は西側だと信じ込むまで」


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