【沈黙の記録II】
■ ボディカメラの映像(更新版)
魔理沙を連行しようとする偽装フランス兵――実際にはロシア特殊部隊「ヴェプル(Vympel)」と思われる男たち。
朝田三佐は拘束を振りほどき、魔理沙を守ろうと無線で救援要請を発信しながら車両から飛び出す。
魔理沙「離せ!朝田さんっ、早く!」
朝田「っ……くそっ、こっちはJGSDF、魔理沙さんの身柄が奪われる、座標は……!」
銃声。
朝田の肩から血が吹き出す。
それでも、彼は魔理沙を背に庇うようにして拳銃を抜き、敵兵の足元に発砲。一瞬、ロシア兵がひるむ。
だが――
狙撃音。
朝田の腹部、脇腹付近に鋭く何かが突き刺さり、血が溢れ出す。
アレン少佐(通信越し)「……ああ……!」
ラミレス大尉「まだ……動いてる……!? 彼は……立ち上がろうとしてる!?」
■ 朝田、最後の抵抗
プジョーP4の横に倒れながらも、朝田は魔理沙の名を呼び、手を伸ばす。
朝田「……まだ……守れてません……魔理沙さん、離さないでください……絶対……!!」
魔理沙「朝田さんっ!! 行かないで!!」
魔理沙は泣き叫ぶが、敵兵に引きずられて消えていく。
ロシア軍兵士(無線)「対象確保、回収開始……負傷兵がいたが、現地放置する」
映像は血で曇り、最後に朝田の虚ろな目と共にノイズが走る。
■ 永遠亭:一命をとりとめた朝田三佐
数分後、幻想郷内の永遠亭に搬送された。
輸血と応急処置、駆けつけた自衛隊:衛生班とNATO軍の仏軍衛生兵の協力で朝田は一命をとりとめた。
だが、肝臓と腸に損傷があり、集中治療室から出られない状態。
マクファーソン准将(静かに)
「……彼は、生き延びた。だが……意識は戻らない。奇跡を信じるしかないな」
アレン少佐(歯を噛みしめながら)
「……彼は命を賭けて魔理沙を守ろうとした。あれが、“自衛隊”か……」
■ 霊夢たちの反応
霊夢「……死ななかった、なら……希望は残ってる。彼が繋いだ命、私たちが必ず応える!」
アリス「意識が戻ったら、魔理沙が無事だって言ってあげたい……絶対に!」
早苗「彼の代わりに、私たちが動かないと……魔理沙のために、そしてあの人のために!」
咲夜(静かに時計を握りしめ)
「時間を戻すことはできないけど……未来は変えられる。やるわよ、霊夢」
■ マクファーソン准将と霊夢の会話(重傷状態での)
霊夢「良かった……朝田さん、生きてたんですね」
マクファーソン准将「ああ……だが、運ばれてくるときには……まるで遺体のようだった。
それでも、まだ心臓が動いていた。あの男は、諦めてなかった……最後の瞬間まで」
霊夢(目を伏せながら)
「じゃあ……私も、諦めない。魔理沙を取り戻して、彼が目を覚ましたとき……『無事だよ』って言ってあげたいんです」
マクファーソン准将(静かに頷き)
「よし……なら作戦を開始する。あの男が命を懸けて守ったものを、今度は我々が取り返す番だ」