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第19章:『外交官たちの視線ー現実世界の縮図』

満月の月明かりが幻想郷を照らす

美しく彩られた花壇、紅魔館中庭、夜風が静かに吹き抜ける石畳の回廊。


各国代表団がそれぞれの会場や控室に戻り始めたそのとき――

月明かりの下で一つの小さな会話が、交わされた。


紅魔館の西翼、バルコニー。


オーストラリア連邦の駐日大使 **リチャード・フォースター(架空人物)**は、手に持った温い紅茶のカップをじっと見つめながら、隣にいたアメリカ大使 **マシュー・デラルコ(実在人物に基く架空人物)**に声をかけた。


「これはもはや世界の縮図だな……この幻想郷は、我々の世界の鏡のようだ」


「……?」


マシューは顔を向ける。


「様々な国々が、表では交流を行い、握手を交わす。その一方で、裏では政府と軍、諜報機関が動き始めている。寒いと思わないか?」


フォースターの言葉に、マシューはしばしの沈黙の後、小さく頷いた。


「そうだな……この状況をどう表現すべきか……冷戦、いや――」


彼は一瞬、口を噤み、夜空を仰ぐ。


「グレート・ゲーム。あれに近い。中央アジアで繰り広げられた帝国の影の闘争。あれがいま、この幻想郷を舞台に再現されようとしている、かつてアフガン…現在は中央アジアの天然ガス等をはじめとする資源を巡る対立構造ここでは幻想郷を巡る対立構造か…」


二人の外交官の会話は、他の誰にも聞かれないよう、慎重に行われた。


静かに蠢く世界の影


幻想郷という「非武装中立の理想郷」に踏み込んだ各国の外交団。その中でトルコ代表団は妙な既視感を覚えていた

背後には、諜報機関たちの影が静かに広がっていた。


アメリカのCIAおよびDIA(国防情報局)

イギリスのMI6

フランスのDGSE

日本の公安調査庁と防衛省情報本部

そして、オーストラリアのASIS(オーストラリア秘密情報局)

彼らはすでに、ロシア連邦軍の不穏な動きと、中国政府の背後で起きている軍拡に対し、静かに、そして確実に調査網を張り始めていた。


一部では、中国が極秘裏に**第6世代戦闘機「J-36」「J-50」を配備し、台湾海峡周辺での活動を増やしているとの情報もある。

ロシアは、“オムスク計画”**なる謎の軍事計画を動かしているとされ、各国の諜報機関はそれぞれのコードネームでこの事態を監視していた。


そして静かに始まる「次の対立」


幻想郷の空に浮かぶ満月――

それは美しくもあり、同時に不穏な光を放っていた。


外交官たちの会話は一見穏やかだったが、その言葉の裏には重い覚悟があった。


「我々は……見届けねばならない。幻想郷という、世界の新たな『接点』が、どのような結末を迎えるのかを」


そう言ったのはカナダの国連代表だった。


誰もが薄々感じていた。

これは単なる偶然の出会いではない。

「次の冷戦(第3.5次冷戦)が始まる前夜なのだ――


そして、それを知る者たちは、既に監視と警戒を強化することで静かに合意していた。

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