【外の世界の情勢】
【2025年7月下旬】
――報告日時:2025年7月29日 / 幻想郷臨時連絡本部 通信記録より(要約)
■アメリカ:移民政策を巡る国内騒乱
通信提供:CNN国際ニュース(衛星通信経由)
「CNNニュースです、現在ロサンゼルス市街において、移民政策への抗議デモが激化。
参加者数千人が集結し、警察および州兵と激しく衝突。数十台の車両が炎上、
一部地域では治安の維持が困難な状態に。
ホワイトハウスは『国家安全保障上の措置』として、不法滞在者の即時送還を命じ、
全米にわたる移民摘発強化を継続中です。」
霧雨魔理沙(哨戒任務中・通信傍受後)
「外の世界、いよいよバラバラだな。幻想郷のほうがまだ話が通じる分マシかもな」
■ドイツ:対ロ強硬姿勢と国内警察の武装強化
通信提供:ZDFドイツ公共放送
「メルツ政権は警察官にテーザーガン標準配備を開始しました。
治安部隊の即応性向上を目的とする方針に対し、与野党から議論が起きている。
同時に、ドイツ海軍がロシアの“影の工作船団”に対し艦隊50隻を派遣。
監視任務に加え、必要時は拿捕を行う準戦時体制。」
幻想郷臨時軍事連絡部・情報参謀レポート
「バルト海情勢が急変。NATO加盟国の臨戦姿勢拡大。ロシアの動きと連動の可能性あり」
■中東:イスラエル・パレスチナ戦闘激化
通信提供:アルジャジーラ国際部
「イスラエル国防軍、ガザ地区への軍事行動を拡大。
支援船団への妨害作戦にはエリート部隊とサール型フリゲートが動員され、
国際NGOによる食料輸送が阻止された模様。
国際社会からの非難が集まる一方で、イスラエル政府は『安全保障の問題』と反論」
八雲紫(報告書閲覧後の私的記録)
「人間の正義は、立つ場所によって違う。悲しいけれど、もう驚きはしないわ」
■オーストラリア・ウクライナ:対中政策と東欧戦線
通信提供:ABCオーストラリア
「アルバジーニ首相、防衛費の大幅増額と産業再編を掲げた新経済法案を提出。
中国に対抗する軍備増強の一環として、日米豪間の防衛協定を強化中。」
ウクライナ戦線報告(同)
「ハリキウに対するロシアの砲撃・ミサイル・ドローン攻撃が激化。
数日前のウクライナ無人機による施設攻撃に対する報復とされる。
前線は流動的で、死傷者多数」
マクファーソン准将(日誌より抜粋)
「ウクライナは、20年前のイラクを思い出させる。
ただし、あの時より遥かに“未来の戦争”に近い。
幻想郷がこの波に飲まれぬよう祈るばかりだ」
【総括:朝田三佐による連絡会議での発言】
「外の世界は分断と衝突の連鎖にある。
幻想郷は今、歴史上かつてない“人類の対話の余白”になりうる。
私たち自衛官がここにいる意義は、戦うことではなく、
“守る理由を教える”ことにあるのです」