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【薄紅色の誓い】


――2025年7月下旬、幻想郷演習基地・神社裏手の警備隊宿舎区にて。


夏の夕暮れ。蝉が遠くで鳴く音だけが残響のように響いていた。

霊夢は演習後、額に汗を浮かべながら、ひとりで武器庫から戻る途中だった。


「霊夢さん、遅くまでお疲れ様です」

声をかけたのは、朝田三佐だった。演習用防護ベストを脱ぎ、手には書類の束。


霊夢は照れたように笑った。


「うん……私も、ちょっとは慣れてきたかも。銃とか、訓練とか。最初は、全部が嫌だったけど……今は違うの」


「違う?」


「誰かを守りたいって思えるようになったから。……それと」


霊夢は、小さく呟くように言った。


「……朝田さんに、笑っててほしいって思ったから」


その一言に、朝田は言葉を失う。


静かな時間が流れる。

やがて彼は、言葉を選ぶように答えた。


「霊夢さん……なら僕も、もっと強くなります。あなたの隣に立てるように」


その言葉に霊夢は、いつもの気丈な顔から一瞬、少女のような笑顔を浮かべた。


翌朝・警備隊本部前

魔理沙「うおおーい、霊夢ー?昨日さー、何時に戻ってきたのさ?遅かったじゃないか、山森一佐が心配していたぜ?それによ、顔赤いけどなんかあったのか?」


咲夜「……あれ、珍しく頬が赤いのではなくて?」


アリス「んー、これは訓練の疲れじゃなくて、恋のほうかもね?」


ナイジェル中佐(英国陸軍)「Oh、Romance in the field!まるで戦場のバレンタインだな、Ha-ha!」


中山二等陸尉「朝田三佐、いいっすねえ!『英雄と巫女』とはこのことか!」


自衛官たちはにやにやと笑いながらも、どこか誇らしげに彼らを見守っていた。

魔理沙は、霊夢の肩を叩いて言った。


「ま、悪くない選択だと思うぜ。私たちみんなが背負ってるもんは重いけど、

霊夢らみたいなのが前に立ってくれるなら、少しは救われるぜ」


霊夢は顔を赤くしてそっぽを向いた。


「……もう、うるさいな魔理沙……でも、ありがと」


夜・訓練場の端、ふたりきりで

霊夢「……朝田さん、私、頑張るから。だから、見ててね」

朝田「……ええ、もちろんです。霊夢さん。あなたが戦う限り、僕も共に立ちます」


そして、ふたりは――かつての博麗の巫女と、現代の軍人として、

幻想郷の守り手と、人の盾として

2人は固く誓い、仲間達が温かく見守っている

未来を賭けた、小さな誓いを交わした。

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