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【世界の真実よりII】

この世界の真実を知った上で第82章に続きます

皆さんはどう思いますか?

バンカーの独白──マクファーソン准将】

(場所:地下深くの指揮所。誰もいない戦略室。机の上に残る使用済みのカップと資料。薄暗い照明に照らされながら、マクファーソン准将が独り語る)


マクファーソン准将(低く、落ち着いた口調で)

「……あのバンカーで俺たちが語ったこと。

それは単に“現実の恐ろしさ”を押しつけるためじゃなかった」


(彼は机の上に置かれた幻想郷地図を見つめ、手を重ねる)


マクファーソン准将

「――彼女たちに教えたかったのは、選ばなければ、すべては他者の都合に塗り潰されるという事実だ。

この世界は残酷だ。何もしなければ、理想は腐っていく」


(回想:霊夢の瞳、早苗の表情、咲夜の沈黙、アリスの戸惑い)


マクファーソン准将

「彼女たちの中の何かを壊したかもしれない。……信頼を、失ったかもしれない」

(短く息を吐く)

「それでも、これでいい。幻想郷が、ただの夢で終わらぬならば」


(彼はゆっくりと立ち上がり、片手でバンカーの照明を落とす)


マクファーソン准将(静かに)

「願わくば、あれが何かの“きっかけ”になってくれればいい。

彼女たちがこの世界をどう見て、何を選ぶのか――それはもう、私たちの手を離れた」


(無音の中、モニターの1つに再生される映像──神社の縁側で、霊夢が空を見つめている)


マクファーソン准将(背を向け、去り際に)

「……戦場に立つ覚悟だけが、生存を選び取る。幻想郷よ、君たちが選ぶ未来が試される」


【場面:博麗神社 本殿】──静かな夜、対話の始まり


(マクファーソンたちとのバンカー会談のあと。幻想郷の面々が集い、沈黙のなかで霊夢が口を開く)


霊夢

(拳を握り、瞳は迷いを滲ませながらも)

「……朝田さん。お願い。教えて、どうすればいいの?

このままじゃ……幻想郷は"世界の闇"に呑まれちゃう」


朝田三佐

(少し驚いたように霊夢を見て、静かに言葉を返す)


「それは――あなた方が、覚悟を持ち、力を蓄え、“立つ”ということです」


(間を置いて、目を閉じる)


「かつての日本もそうでした。

“アジアの解放”という理想を掲げ戦った。正義を信じていた。

でも……最後には負けた。正義は消え失せ、“勝者の正義”がやってきた。」


(霊夢たちは息を呑む。彼の語る「敗北」と「受容」は、幻想郷の人間には重い)


「それでも、我々は受け入れ、立ち上がった。再び進むために。

――霊夢さん、あなたたちもそうならないように……備えてください。」


■【場面転換:八雲邸の書斎──紫・永琳・依姫らの分析】


(地図と記録文献が並ぶなか、幻想郷の知識層が集う)


八雲紫

「彼らが語った現実……滑稽なほど血塗られていたわね」

(紫煙の向こうから、細く笑う)

「でも、それは“世界の共通言語”とも言える。力、歴史、報復――」


八意永琳(冷静に、医学者であり月の戦略家)

「……幻想郷の存在そのものが、“見逃されていたから”許されていたのよ。

今は違う。見つかった以上、幻想という衣はもう防壁にならない。」


綿月依姫(月の使者、憂いを帯びた声で)

「……地上の戦争と論理。私たちは月でそれを忌避したけど……

今はもう“見て見ぬふり”はできない。彼らは私たちの無関心を破ったのよ。」


■【場面転換:守矢神社・風祝の間──幻想郷の「国家意思」を巡る議論】


(妖怪の山から招集された面々が、神社の広間に集う。仙人、天人、妖怪の代表者)


早苗

「幻想郷が何か“決めなければならない”時代が来たのかもしれません。

いままでみたいに、霊夢さん任せじゃなくて……幻想郷という“共同体”として」


伊吹萃香(酒を片手に)

「国?意思?そんなの幻想郷にはなかったろう?

それぞれ好きに生きてきたんだ。それが幻想郷の“自由”だろ」


茨木華扇(眉をひそめて)

「でも……それがもはや通じないというなら、新たな“統治”や“交渉の枠”が必要です。

幻想郷が“相手取る相手”は、もはや妖怪じゃない」


四季映姫(閻魔、厳然たる声で)

「幻想郷の“倫理”は、長らく自己完結の中にあった。

だが、いまやそれは他者との“交渉倫理”を求められる。

――幻想郷は、その意思を定義しなければならない」


比那名居天子(皮肉っぽく)

「“お上”ごっこをやるってわけね。私の出番かしら?」


■【最後に:再び霊夢たち】


(霊夢、咲夜、アリス、早苗が、神社の縁側に座る。夜の風が吹いている)


アリス

「ねえ、霊夢。もし“幻想”と“現実”のどちらかを選ばなきゃいけないとしたら……どうする?」


霊夢

(空を見上げながら、小さくつぶやく)


「――幻想を、守りたい。けど、それが現実に踏みにじられるなら……こっちから現実を迎え撃つ!奴らに私たちの攻撃が効かないなら…外のやり方をするまでよ」

その視線の先にはM39ライフルが置かれている


咲夜

(ナイフを指先で転がしながら)

「それが“戦う”ってことよ。優雅に幻想を守る時代は、もう終わったのね」


自由主義陣営と全体主義陣営で別れた地図を見ながら


早苗

「……じゃあ、やるしかないです。覚悟、決めましょう。幻想郷の意思として。」

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