【射撃開始!覚悟持って引き金を】
【射撃訓練場】
日が高く昇った昼下がり。幻想郷の北端に仮設された射撃練習場には、木製の防音壁と砂嚢に囲まれた幾つもの射撃レーンが並んでいる。そこに集められたのは、初期防衛隊の選抜隊員たち。
SAS(英国特殊空挺部隊)所属、ナイジェル中佐が鋭い眼光で隊員たちを見渡す。
◆ ナイジェル中佐の導入
ナイジェル中佐(英国訛りのある英語から流暢な日本語に切り替えて)
「ここが射撃練習場である!
諸君にはこれより“的確に撃つ技術”を心得てもらう!」
「**戦場において一発で決めるか、決められるか。**その違いが、生と死を分ける。
まずは見本を見せよう……朝田三佐、頼む。」
◆ 朝田三佐の見本射撃
その言葉に、横に並んでいた隊員たちがざわつく。
霊夢(少し嬉しそうに)
「朝田さん……!」
魔理沙
「おお? 来たな、腕の見せ所ってやつだぜ」
イナバ(真剣なまなざし)
「しっかり見ます!勉強になります!」
朝田三佐は無言のまま、静かに歩み出る。89式小銃を構え、深く息を吐いた。
朝田三佐(凛とした声で)
「朝田三等陸佐、これより射撃訓練に入ります!」
そして次の瞬間、精密な動きで89式小銃を構え、反動を最小限に抑えつつ、単発で標的を連続して撃ち抜いていく。
乾いた発射音が空気を裂き、標的には正確な着弾痕が残された。
無駄な動作は一切ない。静かな所作の中に、百戦錬磨の自衛官としての矜持が滲む。
◆ 拍手と感嘆
霊夢(内心で)
(……すごい……)
魔理沙
「こりゃ本物だな。なぁ、霊夢、ちょっと惚れ直したり?」
霊夢(赤面しながら)
「う、うるさい……」
イナバ
「さすがです朝田三佐!!あの制動とコントロール……!」
訓練場には自然と拍手が広がった。
朝田三佐(肩の力を抜きつつ)
「撃ち方やめ。状況を終了します。」
◆ ナイジェル中佐、指名する
ナイジェル中佐(拍手の中、笑顔で)
「ありがとう、朝田三佐。では――誰が最初に行くか?」
しばしの沈黙の後、
イナバ(ビシッと手を上げ)
「イナバ三曹、行きます!」
ナイジェル中佐(頷いて)
「よろしい。前へ。イナバ三曹、準備!」
◆ 訓練を見守る者たち
遠くから射撃訓練の様子を見つめる二人の女性の姿――
八雲紫(扇を口元に当てながら)
「ふふ……見事ね。少しずつだけれど、彼女たちの中に“覚悟”が宿ってきているわ。
力を持つことの意味を、少しずつ知っていくその過程……とても貴重よ」
射命丸文(カメラとメモ帳を携えながら)
「おおお!これは特ダネですね!“博麗霊夢、ついに自衛官に惚れる?!”……いや、違うか?
“幻想郷、初の実弾訓練開始!”……うーん、タイトル悩む……でもいい絵が撮れた!」
紫(苦笑)
「貴女の筆の暴走がなければ、幻想郷はもっと平和なのかもしれないわね」