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【始まりの音色】

「幻想郷駐屯地」


幻想郷郷土防衛隊――それは、外の世界からの提案と支援により新たに創設された“自らの手で幻想郷を守る”ための部隊である。


その第一期訓練がついに開始される日、博麗神社裏手に広がる演習地には、参加を決意した幻想郷住民たちが集まっていた。


河童、天狗、仙人、妖怪、人間、そして半霊――種族を超えて集まった彼らの前に立つのは、陸上自衛隊所属レンジャー・山森一佐。


◆ 開始宣言

山森一佐(姿勢正しく、凛とした声で)

「諸君! 本日より、幻想郷郷土防衛隊初期訓練を開始する!

第一教官、私、山森一佐が務める!」


「まず教えておく――ここは遊びではない!最後に幻想郷を守るのは、我々自衛隊でもNATOでもない!君たち自身だ!

この幻想郷を、君たちが守るんだ!」


気合の入った演説に一同が息を呑む。


◆ 行進訓練開始

イナバ(隊員)

「教官!質問よろしいですか!」


山森一佐(やや大声で)

「なんだ!イナバ三曹!」


イナバ(元気よく敬礼)

「訓練はやはり、行進から始まるのでありますか?!」


山森一佐ニヤリ

「当然だ!行軍は軍の基本!まずは**軽く5km!**準備運動と思え!」


霊夢(呆れ)

「ご、ごきろめーとる…?!」


魔理沙

「最初からこれかよ…容赦ねぇな」


朝田三佐ニコニコしながら

「ちなみにこれでも軽い方ですよ?このあと10km、15km、最終的には30km夜間行進もありますから。今のうちに慣れてくださいね」


妖夢(顔面蒼白)

「う…うぅ……」


◆ 仲間たちの反応と激励

シュルツ中佐(ドイツ連邦軍人、教官補佐)

「弱気になるな!妖夢先任伍長!

これは体だけでなく精神の鍛錬だ!君はすでに剣術を極めている。ならばあとは“持久力”だ!」


永琳(笑みを浮かべて)

「ふふ……山森さん、自衛隊の熱が戻ってきたみたいですね。

でもあまり追い詰めすぎないようにね。相手は妖怪と神様もいますから」


山森一佐(目を光らせ)

「それがどうしたです!心身の訓練に種族は関係ないのです!力ある者ほど、規律を学ばねばならんのです!」


◆ 行進開始!

号令が響き渡る。


山森一佐

「全隊、整列!間隔2歩、縦列三列隊形!」


参加者たちは戸惑いながらも、シュルツ中佐や自衛隊の指導官たちの助けを受けて隊列を整える。


五十川嵐一尉「総員!行進、始めッ!脚を合わせろ!1、2!1、2!」


幻想郷の住民たちの足音が、不慣れながらも山中に響き始めた。


◆ 訓練後


5km行進の後、疲労困憊で戻ってくる隊員たち。


霊夢(地面にへたり込む)

「はぁ…はぁ…これが……戦いよりきついってどういうことよ……」


魔理沙(隣で寝転がりながら)

「こりゃ……本気で戦争ごっこじゃ済まねぇな……」


早苗(息を切らせながらも笑顔)

「でも……ちょっと清々しいですね。きっと、意味があるって信じたいです」


◆ 山森の言葉


山森一佐は訓練後、全員の前に立って改めて告げる。


山森一佐

「今日の訓練、お疲れだった。だがこれはほんの序の口だ。

皆、辛いと思うかもしれん。だがその辛さが、“守る力”に変わる日が来る。

自衛とは、“備え”であり、“信念”だ。我々は、ただ戦うためにあるのではない。誰かのために、そこに立つためにある」


彼の言葉に、住民たちは少しずつ顔を上げる。


それは、幻想郷に「覚悟」が芽生えた瞬間だった――


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