【定義される幻想IIー幻想郷側の意思】
◆ 月の勢力と西側諸国との「中立合意案」
幻想郷と外の世界の衝突を避けるため、月の勢力との外交対話が進行する。
綿月依姫(冷静に)
「我々は幻想郷が外の戦争や国際的干渉の舞台とならぬよう、“中立”という立場の法的・政治的確立を提案する。
これは幻想郷の独立性と安全を保証する一つの手段となるはずだ」
この提案に対し、いくつかの国が即座に賛同を表明した。
スイス政府代表:「永世中立国の立場から、中立の枠組みこそが幻想郷に最もふさわしいと考えます。幻想は守られるべきです」
台湾政府代表:「我々もかつては国際的な承認を得るために苦しみました。だが、それでも尊厳を捨ててはなりません」
コソボ政府代表:「独立とは、まず“自らの在り方を選ぶ”ことから始まります。幻想郷も、その自由を持つべきです」
日本政府代表(外務審議官):「幻想郷は日本領内にあるが、その文化・自治は独自の尊重に値する。日本は保護国ではなく、共存する立場を取る用意がある」
◆ 幻想郷の法的地位に関する日幻想協議
日本政府と幻想郷側(紫、霊夢、阿求、永琳ら)による非公式協議が行われる。
日本官房副長官
「現行法上、幻想郷は日本の地理的主権内にある“未確認特異自治区域”とされます。
ただし、これを特別法の下で“特別自治地域”として法的に定義する構想があります。
将来的には**“幻想郷基本法”**の制定も視野に入れています」
阿求(冷静に)
「幻想郷の住人たちがそれを望むのならば……ですが、強制的に“国”に組み込まれるのは避けたいですね」
◆ 国連軍(PKF)派遣案の浮上
幻想郷への軍事的干渉を防ぎ、かつ安定を保証するため、国連安全保障理事会の一部で**PKF(国連平和維持軍)**の派遣構想が浮上する。
マクファーソン准将
「やはりここもレバノンと同じか……もしくはボスニアのような……」
マクファーレン中将(英国)(前向きに)
「いや、まだ希望はある。幻想郷の住人が自らの未来を選ぶ意思を示せば、我々はそれを支える側に回れる」
◆ 幻想郷での住民投票構想
混乱を避けるため、幻想郷の進むべき道(中立・共存・独立など)を住民の直接民主制で決定する案が浮上する。
住人A(針妙丸)「……選挙?それって、私たちが未来を選ぶってことか?」
住人B(幽香)「総理大臣でも決めるんかね?……まあ、それも悪くないかもしれん」
慧音(教育者として立ち上がり)
「歴史を刻むとは、選択することです。これは、幻想郷にとって“自分自身を定義する”初めての機会になるかもしれません」
◆ 台湾・コソボ・日本代表の説得(幻想郷側納得)
国際会議の場で、各国代表が幻想郷の独自性を尊重する発言を行う。
台湾代表(女性副代表)
「私たちは何十年も国として認められずにきました。それでも、“台湾人”であることを誰にも決めさせなかった。
幻想郷の皆さんも、自らの名前と意思を大切にしてください」
コソボ代表(元解放軍出身)
「独立とは血で買うものだ、と言う者もいます。だが私は、“守るべき文化があるからこそ国家を名乗るのだ”と信じています」
日本代表(外務省参与)
「幻想郷の皆さんが自ら決めるべきです。外の世界はあくまでそれを支援する側であるべきで、強制はあってはなりません」
この言葉に――
綿月依姫(静かに目を閉じて)
「……やはり、あなた方の言葉は重い。
幻想郷は選ぶことを恐れてはならない……そう、月ですら変わる時代なのですから」