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オペレーション:レッドパージ

「レッドパージ作戦(Red Purge Operation)」


幻想郷・博麗神社 ― 情報対策本部臨時会議

夜、博麗神社の境内に仮設された“幻想郷情報対策本部”には、

警察庁・警視庁・公安調査庁・陸上自衛隊・そして在日米軍情報部までが集っていた。


長野県警警備部の主任・松本警視正が立ち上がる。

「幻想郷は今や、我が国の安全保障と密接に関わる“対外工作活動の交差点”と化しています」


後ろのスクリーンに映し出されるのは、北朝鮮系工作員の潜伏拠点、革マル派の支援ルート、そして

日本共産党系議員の資金の一部が流れた可能性があるルートマップだった。


「よって本日より、長野県警察機動隊・公安課特殊捜査班を幻想郷内に本格展開する。作戦名は――《レッドパージ作戦》」


霊夢が目を細めた。「レッド……赤狩り?」


朝田三佐が静かに応える。「ええ。国家の敵とされる破壊活動、スパイ工作……それらを根絶するための捜査です」


松本警視正が続けた。「敵は幻想郷内に潜入している。“観光客”を装った北朝鮮の偵察局要員、ロシアの連絡員、ベラルーシ財閥系ブローカー、革マル派の“学生”工作員……その全てを洗い出す」


「捕縛対象は手加減無用。特殊法適用で即時身柄拘束可能。日本国刑法第81条、外患誘致罪の適用も視野に入れる」


神社の隅にいたアリスがつぶやいた。「幻想郷が……冷戦の亡霊に巻き込まれてるみたい」


同時刻・幻想郷北部「人間の里」地下

小さな茶屋の奥、通常では立ち入れない地下室。

そこに、公安調査庁の秘密駐在官がいた。


机に置かれたのは暗号解読済みのデータパック。

「……イランの武器商人“アル・ハッサン”が幻想郷に“試作品”を持ち込もうとしている。日本の革マルが仲介したらしい」


その横には公安外事課の長官直属捜査官:佐伯警視が腕を組んでいた。

「試作品……?兵器か?」


「いいえ。“生物化学兵器"……おそらく、外の世界では“次世代EMPパルス試作機”と呼ばれていたものです」


佐伯は唇を噛みしめる。「これはもう……単なる公安案件ではない。国際テロ案件だ」


FOGL特殊行動班作戦室(幻想郷・地下第七サイト)

ブラックオプスFOGLの指揮官、ジャレット中佐が地図を広げる。


「ここの区域――幻想郷北東、魔法の森を拠点とする“民間人を装った取引拠点”がある。

CIAのSIGINTと、陸自電子戦隊が捕捉した通信を解析した結果、**“貨物として運ばれた武器類の一部が地下で保管されている”**と判明した」


彼の隣にいたのは公安調査庁の調整官・加藤室長。

「レッドパージ作戦と連携しよう。捜査権は我々にある。だが……撃てるのは自衛隊、そしてNATO軍の支援部隊だけだ」


ジャレットはうなずいた。「必要ならFOGLが先行して制圧する。だがこれはもう、“スパイ狩り”では済まされん。

幻想郷は、ハイブリッド戦の最前線になっている」


幻想郷・市街地

警備中の長野県警公安機動隊が、不審な装備の人間に声をかける。

男は外国語で応じ、即座に逃走を開始した。


「待て!長野県警だ!止まれ!」

男が懐から取り出したのは、古びたカメラ型通信装置――その送信先は、在日ロシア外交官の施設だった。


男は瞬時に制圧される。


「こちらK1、対象を確保!身元不明、所持品に大量の通貨と、幻想郷内部の施設構造図あり!」


「了解、引き渡し先は……公安・自衛隊共同尋問班へ!」


霊夢の決意

夜、警戒任務を終えた霊夢が本殿でつぶやく。


「これは……もはや幻想郷だけの問題じゃない……

この“歪み”を許したままでは、私たちは……また戦争に巻き込まれる……」


巫女の目に、はっきりとした覚悟が宿っていた。

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