第79章【新たなる影】
:コルバフの拘束映像流出する
場所:イラン・テヘラン近郊 地下施設の一室
登場:イラン防衛革命隊関係者、北朝鮮情報部員、匿名のベラルーシ商人
大型モニターに、幻想郷内のレーダーサイト「ゴッドアイ」でFOGL部隊によって拘束されるコルバフ大尉の映像が映し出される。拘束時の音声、米軍兵士の怒号、コルバフが何かを吐き捨てる言葉…。
北朝鮮側人物(通称:崔上級准将)が低く呟く。
崔「……ロシア軍将校が幻想郷でCIAに拘束されるとは、これは『交渉材料』以上の意味を持つな」
イラン側の男が苦笑しながら言う。
イラン側男「"アル・ハッサン"が動くときが来たか……さて、次はどこで火が上がる?」
クレムリン プーチン大統領執務室
ウラジーミル・プーチン(ロシア連邦大統領)
セルゲイ・ショイグ(国防相)
極秘映像の再生中
暗い部屋の中、コルバフ拘束のシーンを見終えたプーチンが短く呟く。
プーチン「……失敗か」
ショイグ、防衛省資料を閉じて恭しく応じる。
ショイグ「はっ、残念ながら。FOGL部隊の動きは予想外でした。協力者が内部にいた模様」
プーチン、椅子の背にもたれながらウクライナの戦況図をチラと見る。
プーチン「まぁ良い……ウクライナのこともあるからな。幻想郷を巡る"新冷戦"における接触点は、こちらが選ばねばならん」
ショイグ、首を傾げる。
ショイグ「大統領閣下、ご命令は?」
プーチン、口元に笑みを浮かべて言う。
プーチン「"彼"――アル・ハッサンとイワノフ・コーシュキンを動かせ」
プーチン「次の“火種”は幻想郷の中で起こる。まだ我々は観察者であり、破壊者であってはならない。だが、売人たちなら、別だ」
ショイグは立ち上がり、一礼して去る。
「死の商人」の紹介(新たな暗黒の登場人物)
アル・ハッサン(仮名)
イラン人。
イラン・パキスタン・アフガンの三角地帯を拠点とし、イエメンやヒズボラとも接点を持つ伝説的武器商人。主に「旧ソ連圏の兵器(MANPADS、地対空ミサイル、C4爆薬)」を東アジアのテロ組織に流している。
通称「サフラン商人」──香辛料と銃を両方売る、死と取引する影の男。
イワノフ・コーシュキン
元ロシア陸軍兵站部大佐。現在はロシア~ベラルーシを股にかける独立系軍需企業を装った兵器闇市場のブローカー。
過去にワグネルとも関係があり、現在はFSBおよびGRUの「協力者」として、幻想郷方面の工作支援に関与している。
元々は冷戦終結時に兵器の横流しで成り上がった男。
警察庁:霊夢と公安・自衛隊による対応案
霊夢と公安、情報保全隊の協議では、「幻想郷内における非合法な兵器流入と工作活動への共同監視網構築」が検討され始める。
霊夢「放っておくと、幻想郷が極東の火薬庫になる…こっちは博麗の巫女だけど、警備隊を作るにも限界があるのよ」
公安調査庁幹部「幻想郷という“閉じた世界”の中で、第三国の工作員とテロリストが接触しているとすれば――放置はできません」
朝田三佐「我々としても、陸自警務隊との連携を拡大し、今後は**“国連憲章上の不法武装勢力”として取り締まりの対象とすることも検討すべきです**」