第12章:記者と賢者、国際社会と幻想の狭間で」
幻想郷・人間の里:中央広場】
午前、少し曇りがかった空の下、NATOと自衛隊の臨時キャンプが設置された。迷彩服姿の兵士たちが周囲の村人たちと共同作業をし、バリケードや通信機器の設置を行っていた。また治安維持に努め(Military・Police)MPが中心となって自警団と共に犯罪などと戦い人々から信頼を得ていた
パトロール中の軍用車【ハンヴィー】や建屋前の警備に立つ歩哨に声をかける者がいる…そこに姿を見せたのは、射命丸文。おなじみの天狗の新聞記者であり、速筆と速脚を兼ね備えた幻想郷のジャーナリストだ。
その背後には、外の世界から来たフリージャーナリストを名乗る**ほたて**の姿もあった。
「さて、インタビューを始めましょうか。まずは貴官たちの正体から――」
文が音声記録用の文々。新聞特製カメラを向けると
、NATO軍司令官マクファーソン准将は笑みを浮かべて答えた。
「我々はNATOの部隊であり、平和的目的で派遣された。決して侵略や占領を意図するものではありません。まずはこの地の主導者との“対話”から始めます」
マクファーレン中将(実在)も隣に控えており、地政学的な視点から語る。
「この空間はただの異世界ではない。国際法上、未登録の空間であり、なおかつ人類にとって地球規模のリスクを孕んでいる可能性がある。よって、我々は慎重に事を進めている」
文は満足げにうなずいた。
「なるほど…文々。新聞特別号にしますね、“異界に現れた正義の軍隊?”ってタイトルで!」
一人のスウェーデンの将校は言う
『我々は正義の軍隊…なんですかね』
【博麗神社】
神社では、むらさめ型護衛艦「きりさめ」の艦長・鬼頭2佐と、NATO海軍中将、米第7艦隊高官などが、巫女・博麗霊夢、魔法使いの霧雨魔理沙、八雲紫を交えて懇談の席を設けていた。
神前のちゃぶ台には緑茶、米軍支給のMRE、そして地元のきのこ料理が並ぶ、奇妙で和やかな食卓だった。
「この世界、合理性はないけど理がある。まるで我々が忘れた“古き善き時代”みたいなものだな」
と米海軍高官が呟くと、魔理沙が頷いた。
「そうさ、幻想郷は人間の心の裏表が混ざりあった場所なんだ。外の連中には見えなかったろ?」
鬼頭艦長は腕を組みながら言う。
「逆に言えば、この地は我々が触れすぎれば壊れてしまうかもしれない。だからこそ、ルールは互いに学び合うべきだ」
紫がふと笑う。
「それができるのなら、幻想郷も変われるわ」
【日本・国会:特別演説】
衆議院本会議場。総理大臣石破茂は、内閣声明として重大な発表を行った。
壇上には、防衛相、外務相のほか、映像リンク越しに八雲紫、永琳、蓬莱山輝夜など幻想郷の賢者たちも映し出されていた。
「我が国はこの“幻想郷”を一つの特別自治圏として認定し、保護と文化的尊重を基本方針とする。自衛隊および国際調査団はこの立場を基に行動する」
この演説は世界各国に同時中継され、すぐさま国際的な反応を巻き起こした。
【中国・北京 人民大会堂:秘密会議】
「……幻想郷。あれは本当に“実在”するのか?」
中国共産党高官の一人が低く問う。
「問題は“実在”か否かではなく、“支配下に置けるか”だ」
別の高官が答える。
【北朝鮮・平壌 労働党中央委員会】
国家安全保衛部の報告書を手に、幹部が言う。
「日本とアメリカが“異空間の領土”を手に入れようとしている。我々も対応策を立てねばならん」
『南の連中も動くはずです…あまつさえ同盟国のロシアや
中国・ベラルーシを始めました友好国家も注目しています』そう言ったのは北朝鮮偵察総局の将校だった