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団結の時

幻想郷防衛合同哨戒部隊の結成

幻想郷西部、かつて妖怪の住処だった廃村に設けられた臨時の警備本部には、新たに結成された哨戒部隊が集結していた。NATO軍、自由ロシア軍、そして第27親衛機械化歩兵連隊の混成部隊――かつて敵対していた者たちが、いまや「幻想郷防衛」の名のもとに肩を並べている。


マクファーソン准将の発案により、部隊には若い将兵が多く配置された。言語の壁を超えるため、共通言語として英語が用いられ、文化交流や合同訓練も行われるようになった。


ミハイル中尉の変化

――かつて、命令をただ遂行するだけだった少年兵は、いまや自らの意志で歩みを決めていた。

彼は哨戒部隊の副官に任命され、各国の若い兵士たちと日々対話を重ねていく。英語も不慣れだったが、仲間たちの支えもあって数ヶ月で日常会話をこなせるまでに成長していた。


部隊内では、「戦争とは何か」「祖国とは何か」について語られる日々が続いた。


アレン少佐

「君のような若い士官が、自らの意思で部隊に立つ…それ自体が、未来への希望なんだ」


ミハイル中尉

「以前の僕なら、それが何なのかも分かりませんでした。でも…今は違う。命令ではなく、自分の言葉で動いています」


彼の言葉は、旧体制下にあった兵士たちに強い印象を与えた。


幻想郷国際会議:演習是非をめぐる共同発表

会議の舞台は、紅魔館の特設ホールに設けられた国際会議場。

自衛隊、NATO、自由ロシア軍、ウクライナ軍、そして幻想郷の主要勢力が一堂に会する。


議題は、近く予定される「合同軍事演習」の是非と、その目的。


発言の時間が訪れ、ミハイル中尉が壇上に立つ。


ミハイル中尉

「…私は、かつて“敵”と呼ばれた側の兵士でした。

だが、幻想郷に来て、そして皆さんと出会い…初めて“祖国”というものを疑い、問い直すことができたのです。

この演習は、我々がかつての敵意を超えた証として…未来に向けた一歩になるはずです」


会場が静まり返った中、彼の言葉は徐々に波紋を広げていく。

そして、博麗霊夢がその横に歩み寄り、言葉を投げかける。


博麗霊夢

「あなたたちがこの幻想郷を守ろうとしてくれている。それだけで、十分に“味方”だって分かるわ。

私たちは戦うためじゃなく、守るためにここにいる。…演習がそれを証明するなら、私は反対しない」


会場に一瞬の静寂が走った後、拍手が起こる。

共同発表は承認され、哨戒部隊の存在と幻想郷での多国籍連携は、歴史に残る決定となった。


そして未来へ

マクファーソン准将は会議後、感慨深げに語った。


マクファーソン准将

「……歴史的な日だ。冷戦の影を引きずった我々が、こうして手を取り合った。

きっとこれは、始まりに過ぎない」


アレン少佐

「世界が変わるには、まだ長い道のりですが……その先に希望があると、信じたくなりますね」


その言葉を背に、哨戒部隊は幻想郷の各地へと展開していった。

それぞれの思想、それぞれの未来を守るために。

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