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タイトル:霧の境界線を越えて

2020年代に入り世界情勢は大きく変わりつつある

2022年にロシアがウクライナ侵攻を開始すると

欧州を中心とする自由主義陣営は経済的・外交的・軍事的

結束を深め有事の際、NATOによる連携した対応を取るため大規模な軍事演習【グローバル・ハート】を開始しする

今回の演習では日本から海上自衛隊の護衛艦【きりさめ】

が参加する予定となっており演習が行われるポーランドに向けバルト海を航行中である…しかしその道中に

【きりさめ】は意図せず異常現象に巻き込めることになる…これが今回の事件の始まりだった…









202X年:4月27日:バルト海洋上

海上自衛隊の護衛艦【きりさめ】


「艦長、本艦の前方に1500m上空に異常気象と思われる霧を確認。本艦の進路を覆う形で急速に発達しています!」


航海長の報告に、艦長・鬼頭二佐は眉をひそめた。


「この時期にこの海域で霧だと?気象衛星のデータを』


「はっ!確認済みです、しかし衛星画像には霧の兆候は全く見られておりません!」


「……うーむ、なんだか怪しいな。本艦の進路変更はせず、20ノットで霧の中に進入せよ。対空・対水上監視を厳となせ!」


護衛艦【きりさめ】が霧に入ると同時に、各通信装備ならびに衛生データリンク等のシステムが一斉に沈黙した。

空母レーガンを旗艦とするNATO艦隊との連絡も、空中管制機【AWACS】とのリンクも、すべてが霧にとともに消

えた。


まばゆい光が護衛艦【きりさめ】包むそして紅い稲妻が走った


そうして世界は変わった…


伊吹副長「海が消えたのか?……いや陸地に囲まれている?一体どうなっだんだ?ここはどこだ?ここは島じゃないか!?」


スコープ越しに周囲を見渡す

しかし先程の状況とはうって変わってしまった…


艦長が言葉を述べようとした瞬間事態は急変した

『対空レーダーに未確認飛行物体を捕捉!接近中!距離:3

50m!』


信号長に命令し右艦橋に出た、そこには見渡す限りの不自然な山々と、空を飛ぶ不思議の少女たちの姿があった


これが彼女達との初の遭遇となった


「艦長、本艦の前方250m!低高度を飛翔する未確認不明目標を2つ探知しました!……レーダー波の反射面積から見て航空機ではないもよう、信じられませんがこれは…人型です!」


山村レーダー要員が声を上げ、艦内には異様な緊迫感が走る。その中で艦長は冷静に指示する


副長「人型の飛翔体だと? ドローン又は航空機の見間違いではないのか?」

きりさめ副長が答える


「いえ、こちらの目視でも確認できます!」


『目視確認しました!』

艦橋要員が双眼鏡を覗き込んでいる


きりさめ艦橋の前方120m、低高度を舞うのは――人間の少女達

天人の羽衣のような衣装を身に纏い、何かしらのエネルギーを纏ったように見える手で上空を自由自在に飛行している。


飛行甲板にいる船橋三尉等をはじめとした航空要員等はそれを呆然と見ている

そして一人の自衛官は言う『美しい…』と


川村三等海曹「……信じられない…冗談じゃない……航空力学、重力を完全に無視している…これは…』


鬼頭艦長はすぐさま指揮を執る


「艦橋より各員に通達する。臨戦態勢を維持せよ、ただし発砲は禁止する。相手の意図が不明のため、向こうから何らかの攻撃等を受けた場合、又はこちらが被害が出るまでは挑発するな」


『艦長、ますます接近してきます!……双眼鏡越しには一人だけ、こちらにまっすぐ向かって直進中!間も無く接触!」


そして彼女達はやってきた

まず一人の少女が「きりさめ」の艦橋前、飛行甲板にふわりと着艦した。黒色の髪を揺らしながら、赤と白の巫女装束を身に纏った一人の少女――博麗神社の巫女

【博麗霊夢】である。


「……この(ふね)、この装備・そしてその格好、間違いないわ、あなたたち、幻想郷の外から来たわね?」

甲板に降り立ったその姿を、隊員たちは警戒しながらも携帯している9mm拳銃の射撃を控え、じっと見つめる。

やがて立入検査隊も到着した


【きりさめ】副長 回顧録

『自分たちより上の存在が降りたったかのようだった…振り返ってみてもそう思える』


鬼頭艦長は小声で副長等に指示する。


「副長…通訳を呼んできてくれ……いや、待て。彼女は今日本語を話したのか?」


「はっ!完全な日本語です。しかも現代標準語です……なぜかはわかりませんが」

艦長は深く息を吐き、艦橋を後にし飛行甲板に出た。

敬礼に見送られて


「私は…いや、こちらは海上自衛隊所属、むらさめ型護衛艦4番艦 【きりさめ】艦長、鬼頭肇(きとう:はじめ)と申します。……貴方は何者ですか?」

そう問いかけると私の前に立っている可憐な印象与える巫女の少女…博麗霊夢は堂々と答えた。


「私は博麗神社の巫女の博麗霊夢。ここは幻想郷。外の世界とは隔絶された、世界よ」


そして微かながら風が吹いた。立ち込めていた"あの霧"は完全に晴れた、それと同時に見えたのは壮大な山と美しく大きな湖、そして低空ながら上空を飛ぶさらに多くの少女たちである。













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