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四千個のハズレスキル  作者: 向原 行人


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第55話 ブレアの提案

「アデルさん! 今までお話出来ていなかったのですが、実はボク、勇者なんですっ!」


 あ、うん。知ってるけど。

 勤労奉仕について相談したいと言ってきたブレアたちが何を言い出すのかと思ったら、実は勇者だという告白だった。

 これは、あれか? 村には迷惑を掛け、タチアナたちの家を燃やしたけど、魔王退治で大変だからそろそろ許してくれっていう身勝手な言い分でも言うつもりなのだろうか。

 もしも本当にそんな事を言ってきたら、男勇者だったら殴ってしまいそうだが……さて、どうでるんだ?


「はぁ。それで?」

「はい。勇者は魔王退治をする指名を背負う代わりに、国から援助を受けられます。この度、このような事になってしまいましたし、正直に国王へ事の経緯を説明し、すぐにタチアナさんの家を修復させていただき、二人の治療代も支払わさせていただければと」


 どういう事かと詳しく聞くと、あの事件から数日経った今も未だにタチアナの家がなおっていないのが、申し訳無いと思ったらしい。

 それで、ブレアが国王に頼んで、建築資材と職人を集め、家と村を改修するという話だった。


「なるほど。国王へ直談判する為に、四人で王都へ帰らせてくれ……という事か?」

「いえ。私が残って、ブレアたちが戻ってくるまで何でも致します。決して責務を放棄して王都へ逃げる訳ではありませんので、信じてください」


 そう言って、オリヴィアが再び頭を下げる。

 オリヴィアは村に居ないヒーラーという逸材だ。

 まだ序盤の能力という事もあってか、ユスティーナさんのように凄い治癒が出来る訳ではないけれど、治癒魔法で応急手当が出来るのはありがたい。

 それに、本来のアポクエに登場するキャラとも微妙に違うので、俺を殺そうとしたりしない気がする。

 何より、一番危険なブレアが村を離れると言うのはありがたいな。


「いかがでしょうか。許可いただけるのであれば、三人で王都へ戻り、必ず戻ってきます」

「……まぁそうまで言うなら。魔王討伐という王命もあるようですし、そうしましょうか」

「ありがとうございます! では、早速出発致します!」

「え? 今から!? もうすぐ陽が沈み始めるけど……」

「ボクたちがしでかした事を考えると、一刻も早く何とかすべきだと思うので……では、少しお待ちください! 必ず帰って来ます!」


 ブレアたち三人が、オリヴィアを置いて村を出ていった。

 オリヴィアはオリヴィアで、神の導きにより必ず再会出来ます……と、僧侶っぽい事を自分に言い聞かせている。

 ……って、オリヴィアも、若干置いていかれたって思ってない!?

 ちょっと涙目になっているけど。


「ところで、領主様。今更ですが、先程大工見習のコートニーさんが来られたので、ブレアさんたちが王都へ行かなくとも、家は建て直されるのではないでしょうか」

「……あ、確かに」

「え? ちょ、ちょっと待ってください! その話、詳しく教えてください!」


 うん。オリヴィアにコートニーさんの事を話したけど、キースさんたちの話は聞いていなかったようだ。

 まぁその……い、いずれブレアたちも戻ってくるはずなので、暫くのんびり出来ると前向きに考えてもらいたい。

 という訳で、オリヴィアには村のお医者さん的なポジションに就いてもらい、時には住人たちの狩りに同行してもらう事にした。


「アデルさーん! 最初に立てる家はここで良いんですよねー?」

「えぇ。俺たちも手伝うので、何をすれば良いか教えてください」

「あ、今はまだ場所の確認だけです。もう陽が沈みますし、作業は明日からにしようと思うので」

「では、今日は新たな住人となるコートニーさんの歓迎会と、二人を治してくれたユスティーナさんと、連れて来てくれたキースさんに感謝の気持ちを込めて……宴ですね!」

「わーいっ! この村のお料理は美味しいので、すっごく嬉しいですーっ!」


 クレアを中心に俺やオリヴィアも手伝って、皆で美味しく夕食を済ませ……翌朝から早速家作りに励む事となった。

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