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四千個のハズレスキル  作者: 向原 行人


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第54話 ユスティーナさんの処置

「では、抜いていきますね」


 これまで同様に、ユスティーナさんが鮮やかな手捌きでヴィンスの腕に注射針のようなものを刺すと、赤い血が管を通り、俺にはよく分からない様々な物を通って再びヴィンスの体内に戻されていく。

 正直言って、何をしているかは分からないが、ユスティーナさんが行っている事なので、きっと何かしらの意味があるのだろう。

 暫く様子を見ていると、ユスティーナさんがヴィンスの腕から針を抜き、止血をしていく。


「はい。これでもう大丈夫でしょう。後は、さっきの魔法使い君と同じ薬を飲ませますね」

「ありがとうございます」

「いえいえ。こういう方を治すのが、私たち薬師のお仕事ですから」


 そう言って、ユスティーナさんが処置を続けていく。

 相変わらず、凄まじい早さだと感心していると……ベンの様子がおかしい、

 何か、落胆……している?


「ベン。どうしたんだ?」

「くっ! お姉さんの言う抜くが、血液だったなんて……」


 ベンが何か言っているが、それ以外に何があるというのだろうか。

 不思議に思っているうちに、ヴィンスへの処置が完了したようだ。


「ここは……誰だ?」

「さて、正気に戻ったようだし、二人が何をしたか説明しよう。ブレア……来てくれ」


 ブレアを呼ぶと、オリヴィアもやってきて、二人に事情を説明するというので、任せる事に。

 俺は処置を終えたユスティーナさんを外へ連れ出し、代金の話をする。


「この度は、誠にありがとうございました。薬代とここまで来て対応いただいた手間賃を含めて、教えてください」

「あはは。薬代だけで良いですよ」

「いえ。ここまで来ていただくのに数日掛かりますし、家まで戻られるのにも日数が掛かります。その間、お店を開けられませんし、診察もしていてだいていますから」

「うちのお店は滅多にお客さんなんて来ないから、本当に構いませんよ。村から出るのも本当に久しぶりで、小旅行のようでしたし」


 そう言って、二人分の薬の代金を提示してくれたけど、それだけという訳にもいかず、十倍の硬貨を革袋に入れて渡しておいた。

 案の定、ユスティーナさんは中身を確認せずにそのまま受け取ったので、これで良しとしよう。

 それから、キースさんたちとも商品やユスティーナさんを連れて来てくれた対応への代金を支払おうとして……商品分だけしか受け取ってくれない。


「アデルさん。俺たちは、この村に沢山商品を買ってもらっているし、この村の魔物の素材や高品質の作物で、物凄く利益が出ているんだ。だから気にしないで欲しい」


 流石に商人のキースさんは、きっちり代金を確認するのでユスティーナさんの時と同じ手段は使えず、商品の代金分しか受け取ってもらえなかった。

 仕方がないので、今後コートニーさんのお店で、沢山買い物をさせてもらおうか。

 それが、二人の利益に繋がるはずだしね。

 そんな話をしていると、


「アデルさん。お待たせしました」


 ブレアに呼ばれ、ヴィンスたちの許へ。

 事情を説明されたヴィンスとベンが深々と頭を下げているので、ちゃんと理解しているようだ。


「アデルさん。俺たちの軽率な行動のせいで村に迷惑を掛けてしまい、申し訳ありませんでした」

「状況を理解してくれたようだな。ひとまず村への被害と、二人を治療する為の薬代は請求させてもらう」

「はい……」

「あと、謝るべき相手が他に居るので、このままここで待っていてくれ」


 四人をこの場に残し、今回の一番の被害者であるタチアナたちと、村の代表であるシモンを連れてきた。


「君たち二人が、この三人の家を全焼させている。心から謝罪してもらいたい」

「本当に申し訳ありません」

「……今回の事は悲しく思いますが、悪意があった訳ではないと聞いていますので、謝罪を受け入れます。今後は、村の為に働くと聞いておりますので、迷惑を掛けないように願います」


 ブレアたち四人が改めてタチアナに謝った後、


「その事について……実は四人で相談しておりまして、こちらからこんな事を言うのもどうかと思うのですが、まずは聞いていただけますでしょうか」


 勤労奉仕について相談したいという。

 俺としては、ブレアたちが村を出て行き、金銭で弁償というのが一番ありがたいのだが……まずは話を聞いてみる事にした。

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