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四千個のハズレスキル  作者: 向原 行人


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第45話 休息

「≪スキル合成≫使用。方向感覚(弱)と腹時計」


――『方位判定』スキルを入手。陽が出ている間、方角がわかります――


 良し。狙い通りのスキルだ。

 腕時計を太陽の位置に合わせる事で、南がどちらか分かるという話を日本で聞いた事があったんだけど、この世界でも同じ様な方法が使えるようだ。

 まぁ腕時計ではなく腹時計だけど、方角が分かるなら何でも良い。

 ひとまずこれで、森の中で方向感覚を失い、同じ場所をグルグル回る……なんて事は避けられそうだ。


「領主様。小枝と落ち葉を集めてきました」

「ありがとう。じゃあ、ポテトを使って何を作ろうか」

「あの、領主様。ここには鍋などがありませんが……」


 あ、言われてみれば確かに。

 せめてアルミホイルでもあれば、かなり違うんだが。

 スキルで何とか出来ないかと考え、調理や金属に関連しそうなスキルを思い出してみる。


『生地伸ばし:棍棒』棍棒を装備している時、何かを叩いて伸ばせる。

『調理:スコップ』スコップを使って上手に調理が出来る。

『鉄磁化』鉄に磁石を擦り付け、磁力を持たせる事が出来る。


 うん。棍棒もスコップも磁石も持っていないので、使う事が出来ないスキル……というか、あったとしても使い所がないスキルだな。

 スコップは良く洗って鍋代わりに……なんて話を何かで聞いた事がある気もするけど、それなら鉄の兜とか帽子とかを使った方が良いと思う。

 まぁどっちも持ってないんだけどさ。


「あ……でも、鉄ならあるな」


 今回は必要最低限のものしか持ってきていなかったけれど、それでも鉄はある。

 この鉄を何かに使えないだろうか……という訳で、早速このスキルを合成する事に。


「≪スキル合成≫使用。生地伸ばし:棍棒と鉄磁化」


――『鉄鍛造』スキルを入手。鉄を圧縮させて伸ばします――


 またもや、想定したスキルが得られたので、早速俺が今持っている鉄……腰から剣を抜くと、鞘を外す。

 この鞘を鍋の形に……って、ちょっと小さいな。

 板状に伸ばして、穴のようにくり抜く事が出来れば、穴塞ぎスキルで増やせるのだが……薄く伸ばしても、鉄をくり抜くというのは骨が折れる。

 ならば……と、鉄鍛造スキルで鉄のドーナツみたいなものに変形させたのだが、残念ながらこれは穴と見做されなかったのか、穴塞ぎスキルが発動しなかった。

 あくまで、元々穴が空いていないものに穴が空いてしまったものを塞ぐスキルだという事か。


「鉄に穴を空けるのは、流石に骨が折れるな。剣が刃こぼれしても困るし」

「領主様が鉄を変形出来るというのであれば、薄くしてみてはどうでしょうか」

「なるほど。やってみようか」


 先程までは数ミリの鉄板だったけど、これをアルミホイルくらいになるまで薄く伸ばせば、剣で簡単に斬れるかも。

 ……うん。薄く出来るけど、時間が掛かり過ぎる気がする。

 だったら……こういうのはどうだろうか。


「≪スキル合成≫使用。卵の殻除去とシャンプーハット」


――『シャンプーハット除去』スキルを入手。対象から、シャンプーハットの形を取り出します――


 アルミホイルみたいな薄さは諦め、程々の薄さで、かつ五十センチ四方に伸ばしたところで、


「≪シャンプーハット除去≫」


 目の前に鉄製のシャンプーハットが現れ、鉄板はそのシャンプーハットの形でくり抜かれている。


「≪キュア・ホール≫」


 穴塞ぎスキルを使うと、今度はちゃんと発動した。

 そこからはシャンプーハット型の鉄が大量を生み出し、ある程度集めたら鍛造で一つに纏め、鍋や食器の形に。

 それから、土を固めるスキルでカマドを作って、火矢の魔法で着火すれば……うん。これで調理可能だ。

 アルミホイルはないけれど、サツマイモを焼いたり、ジャガイモを蒸したり、長芋を焼いたり……とりあえず、食事は確保出来た。


「領主様、ありがとうございます。凄く美味しいです」

「サツマイモはこのままでも美味しいけど、せめて塩が欲しかったな」

「え? ポテトは普段食べている味ですよ?」


 ……あ、そうだった。タチアナはあまり料理が得意ではないんだ。

 村へ無事に戻る事が出来たら、タチアナに何とかして調味料を覚えてもらおう。

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