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四千個のハズレスキル  作者: 向原 行人


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第20話 薬師のユスティーナさん

 俺の事を分かってもらう為に、まずは材料集めだ。

 とはいえ、残り少ない所持金はあまり使いたくない。

 だけど、せっかくの機会なので、出来ることはやっておきたい……という訳で、


「ユスティーナさん。この村で、魔物の素材を買い取ってくれるお店ってありますか?」


 ユスティーナさんに資金集めが出来そうなお店を聞いてみた。

 あくまで街で売り、商人との伝手を作っておくつもりだけど、少しくらいなら大丈夫だろう。


「んー、薬の材料になるものなら、うちで買い取るわよ?」

「薬の材料……ですか。魔物の骨とか角とか皮って、材料になります?」

「なるほど。魔物の種類によっては、骨と角なら買い取るわよ?」

「骨と角なら……いずれも粉末にしちゃっているんですけど、ワイバーン、グレート・ディア、ブラック・パイソン……」

「ま、待って! え? 本当に!?」

「はい。じゃあ、馬車から取ってきますね」


 皆で倒したワイバーンの骨と、元からハルキルク村の倉庫に入っていた魔物の骨や角をそれぞれ粉末にして持ってきている。

 粉末なのは、穴塞ぎスキルで増殖させたままだと不自然過ぎる形なので、砕いて来たのだが……薬の材料に使うのなら問題ないだろう。


「お待たせしました。こちらです」

「……ごめんなさいね。一応、確認させてね。≪鑑定≫」


 おぉ! 流石はエルフ! あっさり鑑定スキルを使って、それぞれの粉を確認し始めた。

 俺もハズレスキルを合成させて、鑑定スキルみたいな、持っているだけで勝ち組と言われるようなスキルを習得したい。

 そんな事を考えている内に、ユスティーナさんが全ての袋の鑑定を終えたようだ。


「どれも、アデルさんが言った通りの中身でした。これらを全部合わせて大金貨三枚で買い取らせていただきたいのですが、いかがでしょう?」

「えっ!? そ、そんなに高くですか!? 泊めていただくのに!?」

「いえ。価格自体は適正ですよ。薬師の店であれば、概ね同じくらいの価格で買い取りになるでしょう」


 大金貨三枚って、約三十万円なんだけど。

 しかも、村へ戻れば元々の素材は全て残っているから、繰り抜いて粉にする手間だけで……やっぱり思った通りとんでもないスキルだったみたいだ。


「ちなみに、ワイバーンの骨があるという事は、翼や爪に、肝なんかもあったりします?」

「翼と爪はありますよ。肝というか、肉類は食べ……もとい、腐敗するので捨ててしまったんですが」

「なるほど。肝もうちで買い取れたのですが、残念です。あと、うちで翼や爪は買い取れませんが、良ければ信頼出来る商人を紹介しましょうか?」

「え!? それは是非お願いしたいです」


 街で評判の良い商人の情報を集めて、そこと伝手を作るつもりだったけど、ユスティーナが紹介してくれるというのであれば心強い。

 商人の情報収集の時間を省けるからね。

 ただ、それはまた後で……という事で、先に買い取りの手続きを完了させる。


「では、こちらが代金です。ありがとうございます」

「こちらこそ、泊めていただく上に……少し待っていてください。えっと、さっきの俺の事を知ってもらうっていう話ですが、夕食を御馳走させてもらっても良いですか? 泊めていただく訳ですし、そのお礼も兼ねて」

「本当に気にしなくて良いのですが……それくらいでしたら」

「では、少し待っていてくださいね」


 という訳で、俺流の自己紹介……手料理を振舞う事にした。

 日本人だった時からだけど、自分を知ってもらうには一緒に食事をするのが一番だと思っていて、それが自分で作った料理だったら尚良し……っていう考えだ。


「あの、アデル様。お食事でしたら私が……」

「いや、いつもクレアに作ってもらっているし、今日は俺に作らせて欲しいんだ」

「で、ではお手伝いくらいは……」

「そうだね。それはお願いしようかな」

「はいっ! 喜んでっ!」


 という訳で、クレアにも手伝ってもらい、異世界へ来て初めての食材探しからの手料理を作る事に。

 日本では自炊していたけど、アデルが貴族という事もあって屋敷で料理を作った事はないし、ハルキルク村では芋しかなかったしね。

 早速出発しようとすると、テレーズとタチアナがウズウズした表情で、俺を見つめている。


「もちろん、テレーズとタチアナも一緒に行こう。お祭りを見てみたいよね」

「やったーっ! 領主様、大好きー!」

「うぅぅぅ。テレーズちゃんはいつも通りだけど、タチアナちゃんまで……」


 喜ぶテレーズとタチアナに抱きつかれ……いや、獣人族の力で全力で抱きしめるのは勘弁して欲しいんだけど、ひとまず食材探しを兼ねて、村を散策する事にした。

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