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第十五話 ルインは異世界人??

「うーん、成程なぁ。」

美也子、かすみ、芽衣子の協力により、『肉棒』の能力は大体把握できた。

現在の「肉棒」のステータスは次の通り。


名称:「肉棒」 レーティング:UR

所持者 彼方 ※ユニークアイテムにつき、スキルコピー時以外、所持者以外に使用はできない。

効果1 スキルコピー 使用したもののスキルをコピーすることが出来る。

効果2 形状変化 ①スキルコピー時、使用しやすい形に変化する。 ② スキルに応じた使用しやすい形態に変化する。

効果3 スキル保持 2/3 コピーしたスキルを保持しておける。現状最大3個

   ①エリアヒール ②祝福 ③剣術


スキルのコピー方法は、色々問題があるが、すごく強力な武器であることは間違いない。

保持できるのは3つ迄だが、新しいスキルを得たら、前のは消えるのではなく、新しいスキルを含め、保持するスキルを取捨選択できるのは非常に便利だ。

他に分かったことは、「ユニークスキルはコピーできない」という事だ。

美也子お「絶対治癒」はコピーできなかったし、同じようにかすみの「ウェポンマスター」は手に入らなかった。

芽衣子に至っては、持っているのがユニークスキルだけだからか、コピーが全くできなかった。

芽衣子には、一応『仲間回復』『仲間強化』と言った派生スキルがあるのだが、ユニークスキルのテイミングがあって初めて効果のある派生スキルだからなのか、扱いがユニークと同じになっているらしい。

まぁ、他にも色々検証要素はあるが、俺の戦闘力が上がりそうなのは素直に嬉しい。

俺は「肉棒」を、長剣に代えて二度、三度と振ってみる。

「うん、問題なさそうだ。」

俺は満足して肉棒を収納へしまい込む。


「あとはアイツのスキルだが……。」

俺は獣人の女の子を思い浮かべる。

この先どうするかにもよるけど、あの娘のスキルが有用であれば、是非コピーさせてもらいたい。

嫌がられるかもしれないが、最悪、助けてやったことを盾にして頼み込めばいい。

そこまで考え、俺は苦々しさを覚える。

見返りを求めるなんてこと、考えた事もなかったのになぁ……。

それだけ、今の状況が、日常とかけ離れているって事か。


どちらにしても、獣人の女の子次第だ、と、俺は身を起こし、皆の待つ「食堂」へと移動するのだった。



「ルインだニャ……。私をどうする気にゃ?」

凄く警戒されている。……まぁ、仕方がないか。

俺は代表して声を掛ける

「俺はお前を助けた、それは分かるな?」

ルインは、コクッと頷く。

「恩に着せるわけじゃないが、俺達は情報を求めている。また、協力し合えるといいと思っている。」

しかし、ルインは黙ったままだ。俺の言う事をどこまで信用していいのか図りあぐねているのだろう。

仕方がない、と俺は、ちらっと肉の塊を見せる。


「にゃんでも聞くにゃ。にゃんでも答えるにゃ。ルインはいい子だニャ。」

うん、ヤッパリご飯が一番効果的か。

急に素直になったルインに驚きはしたものの、俺を含め、みんなが口々に疑問を口にしていく。

ルインは、お肉をほおば智ながら、自分の推測を交えて答えていった。


それらの結果から分かったこと。

まず、ルインは異世界人であるという事。

よくラノベや漫画などで「異世界転移」とかあるけど、まさか異世界からこっちに来るというのは予想外だった。

でも、ダンジョンも、異世界の産物で、魔物も異世界の住人と考えれば、異世界人がこっちに来てもおかしくはないのか?

まぁ、この辺りの事は深く考えても意味がないと判断し、思考を放棄する。

代わりに、ルインに訊ねてみた。

「帰る方法は分かるのか?」と。

その質問に対し、ルインは首を横に振る。

「だろうな。」と俺は頷いておく。

この答えは予測できたことだ。

話を聞く限り、ルインは「異世界に転移した」とは思っていなかったらしい。

幸いにも、ルインがいた世界では、「異世界から勇者がやってくる」という伝承が残されているらしく、「異世界」という概念はある様なので、話しは早かった。

ただ、ルインが言うには「自分が異世界に来た」のではなく「俺達がルインの世界に来た」のではないかという。

ルインの話によれば、ダンジョン探索をしていたらここに出たという。

外に出れば自分の世界ではないか?と。


俺達はその言葉に顔を見合わせる。

今まで考えた事もなかったからだ。

ある日突然ダンジョンが現れ、そこに街ごとのみ込まれた……と俺達は考えていた。

だから、ダンジョンから出れば、そこは荒廃しているかもしれないけど、俺達が住んでいた街だと、信じて疑わなかった。

しかし、ダンジョンが異世界を繋ぐトンネルで、ダンジョンの外に出ればそこは異世界だという可能性は……確かにある。


「そんなぁ……。」

芽衣子がショックで崩れ落ちる。

「私達……帰れないのかなぁ?」

美也子が、茫然とした表情でそう呟く。

「……。」

普段しっかりとしているかすみも、ショックで何も言えないようだった。

「あー、ほら、まだそうと決まったわけじゃないだろ?」

信也が、やけに明るい声でそういうが、その声に力がないあたり、信也もショックを受けているのだろう。

「そうだな。今ハッキリしているのは、俺達とルインがダンジョンの中にいること、ただそれだけだ。」

俺の言葉に、みんなが注目する。

「だから、正しい情報を得るためにも、「上」を目指そうと思う。」

皆がハッとした顔になる。

「じいったん2階層に戻って、1階層への階段を捜そう。それから準備を整えて、1階層へ移動、地上への道を探す……って事でどうだ?地上がどうなっているか分からないけど、後の事は地上に出てから、という事で。」

俺がそういうと、皆の瞳に輝きが戻る。

うん、今は難しいことを考えず、目の前の事だけに集中するのがいい。


それから、俺達は、ルインを連れて校舎の中を案内する。

ルインは、見るものすべてが珍しいらしく、ちょっとしたことで歓喜の声を上げていたが、特に水道から水が出ることに凄く感動していた。


その後、ルインは女の子達に連れられて屋上へ……俺達は置いてけぼりだ。

だって、屋上には露天風呂が設置してあるのだから……。


「兄弟、俺ちょっと用事を思い出したわ。」

そう言って何処かへ行こうとする信也。

俺はその肩をガシッとつかむ。

「覗きか?」

「な、な、な何の事かなぁ?俺はただ、付近を警戒しようとだなぁ……。」

「そうだな、警戒しようと視覚拡張で強化し、屋上を見たら、たまたま女の子達の入浴シーンだったと……。」

「ギクッぅっ!」

「なぁ、俺達は運命共同体だ。色々と分かち合うべきだと思わないか?」

「……その心は?」

「……露天風呂は特別棟の屋上だ。作りの関係上、一般棟より低い位置にある。」

「つまり?」

「俺達が向かうべきは一般棟の屋上だ。あそこには観望用のスコープがある。」

「そんなのがあったのか?」

「俺が取り付けた。……購買部に、色々あったからな。」

「兄弟、お前…………。」

「GJ!……だろ?」

俺がニヤリと笑うと、信也も笑い返してくる。

「だな。流石兄弟っ!話が分かるぜ。」

意気投合した俺達は、さっそく一般棟へと移動し屋上へと昇る。


「おっ、おぉぉっ!」

屋上からやや下を見下ろすと、お風呂に入っている女の子達が丸見えだった。

しかし距離があるため、詳細が分からない。

「早速……視覚強化っ!」

信也がスキルを使う。

俺も負けじと、望遠鏡を下に向ける。


「お、ぉぉぉお?」

お風呂で、キャッキャウフフしている宮尾たちの姿がよく見える……しかし……。

「なぁ、兄弟。肝心な部分が謎の光で見えないんだが、そっちはどうだ?」

少し情けない声で信也が聞いてくる。……信也のスキルでもか。

「……自分で確認するのが早いだろ?」

俺は信也に望遠鏡を渡す。

念のために、と、もって来ていた双眼鏡を手にして覗いてみるが結果は同じだった。

目の前に豊満な都のバストのアップが……しかし、太陽もないこのダンジョンの中で、何故か光が差し込み、美也子のバストの先部分を覆い隠す。

……あ、芽衣子ちゃんが転んだ。

大きく脚を拡げて倒れる芽衣子ちゃん。

幸いにも、そばにいたルインが支えたので、頭を打つことはしなかったようだが、こっちに足を大きく広げたままだ。

しかぢ何故か差し込む光で、大事な部分が隠れている。

かすみが、美也子が、お互いの身体を弄り合い、そこに芽衣子とルインも参戦する……が、その大事な部分だけは光によって遮られ見えない。


「なぁ、兄弟。俺なんか涙で視界が歪むんだが?」

「信也……お前もか。」

こうして、俺達のミッションは、ただ友情を深めただけで終わるのだった。


男のロマン(覗き)は、謎の効果線により、失敗に終わりました。

これは仕様なのです。w



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