表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Cl⊱own  作者: Joker
11/12

2章 10話-仲間の為に-

漆黒のウェポンアーマーが立ち塞がる。

仁と美沙の運命は……。

 ソレは悪魔のように全てを薙ぎ払った。一瞬で生命が消え去った。時間にして23秒。たったそんな短い時間で10体以上のネメシスと上級ネメシス1体が消え去った。力とは……こんなものだろうか。自分が求めていた力の最終地点は。これが全てを成し得る力なのか。まるで息をするように生命を奪う。これが……自分の追い求めていた力なのだろうか。絶望的なまでの差。比較することすら無意味な、それほど大きな差。このバケモノを戦場に置いておけば勝手に生命が絶滅してしまうのではないかと、そんな風にすら思ってしまう。大気中に蒼い稲妻のような電気のようなものが走っている。上官の声が聞こえない。おそらく想像以上の力が磁場にも影響したのだ。通信機器が故障している。そしてウェポンアーマーの装甲にもこの蒼い稲妻のような電気が走っている。ゆっくりと立ちあがると目の前のウェポンアーマーはゆっくりと此方に向き直った。新兵器……ウェポンアーマーの新型か。

上級ネメシス:『お前たちの使っているウェポンアーマーシステム。それはお前たちが開発したものではない。』

まさか……だけど、目の前のウェポンアーマーはネメシスを倒した。あの男の言葉が本当なら目の前のウェポンアーマーは敵なのか?

仁:「……東雲、あれはウチの新型か?」

その言葉に彼女は答えない。ただ立ち尽くして茫然としている。

仁:「おい……しっかりしろ!」

美沙:「……アザトース。」

アザトースっと言ったのか?邪神、それもクトゥルフ神話に出てくる神の名。そのウェポンアーマーは此方をじっと見ている。その表情はわからない。だが、とてつもない殺気のようなものを纏っているのは確かだ。なんとなくだが、味方ではなさそうだ。

仁:「……こんなモノに……勝てるのか?」

まったく勝てるイメージが湧かない。正直言ってさっきの状況よりも最悪だ。たった1機相手だがまるで上級ネメシスの1万の軍勢を相手しているような気分だ。

仁:「とりあえず、此処は……。」

逃げようとした瞬間、背後を取られた。軽く殴られただけ、そんな感覚だったが吹き飛ばされた。衝撃を感じると地べたに横たわっていた。思わず口から何かが吐き出される。血だった。ウェポンアーマーからシステム音声が流れ、エラーと音声が流れる。たった一撃、目で追うことすら許されなかった。

仁:「ごはっ……が、あぁ……逃げろ……東雲!」

美沙:「……!?」

急に意識を取り戻した東雲は此方の肩を担いで逃げ始めた。何をしているのだ。さっきのアイツの動きを見なかったのか。ほんの一瞬であの距離を移動されたのだ。ウェポンアーマーを装備していたとしても逃げ切れるワケがない。

美沙:「どうして……こんなところに?」

どうやら、彼女はあのウェポンアーマーの存在を知っているようだ。だが、彼女に問いかける気力すらもうない。たったの一撃であのザマだ。おそらくアバラの数本も折れ、内臓にまでダメージが伝わっている。意識が飛びそうだ。

美沙:「……!」

目の前に現れたのはあの漆黒のウェポンアーマー。東雲の動きは止まる。どうやら先回りされたようだ。おそらく、この死地から逃げ出せることは不可能。ならば……どうせ生き残ることが出来ないのなら……。

仁:「……行け、東雲!」

美沙:「進藤くん……!?」

どうせ最後になるのなら……最期はカッコ良く死にたいだろう。男として!

仁:「ぐ……あ……へん……変身!」

再びルシファーを装着する。誰かの為に復讐ではなく、死ねるのも悪くない。何も残せず終わるくらいなら……仲間の命くらいは!

仁:「東雲!走れ!」

???:「……。」

彼女を逃げさせようとするとそのウェポンアーマーは彼女の方へと視線をやった。せっかく隙が出来た。このチャンスは逃さない。

仁:「ぐ……あぁぁあああああ!行け、東雲!」

まるで死に体。身体が崩れていくような感覚だが、しっかりと謎のウェポンアーマーにしがみつく。彼女だけ、彼女だけでも……俺は……せめて、この生命に意味を持たせて欲しい。ただ蹂躙されて、終わるだけの人生だったが。せめて、せめて仲間の命だけでも!

美沙:「……わかった。」

苦渋の決断のような苦虫を噛み潰すような声。そして、彼女は此方の願い通り撤退してくれたようだ。これで……もう思い残すことは……ない。


 崩れかけているボロボロの男。その手首からデバイスとバックルを奪い取る。そしてそれを軽く殴り跳ばすと装置から火花と煙が出た。完全に壊れたようだ。こんなモノがあるからこそ争いが絶えないのだ。しかし……本当に完成していたとは驚きだ。精度はまだまだだが実に効率の良いシステム。実際に装置は軽量化され、データの伝送システムを応用して実体化させ身体に装着させる。その認証がデバイサー本人というのだからかなり高度なシステムだ。装着する為のデバイスの軽量化、そして資格者という認証を経て何処でも身軽に兵装を装着出来る。これはオリジナルのものより遥かに運用面では優秀だ。ただ、その代わり使用者の能力に依存してしまい本来のスペックを引き出し難いというのがネックになる。彼はかなりの素質があったようだが使いこなせずに終わったようだ。

???:「……もう1つも壊しておきたいところだが。」

何故かそんな気にはなれなかった。今日はどうも気がのらない。この男が命を賭けて仲間を守ろうとしからだろうか。

???:「……。」

無言で男はこの場から立ち去るのだった。

自身の身を顧みず、仁は美沙を逃した。

漆黒のウェポンアーマーの正体は……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ