005 初めてスキルを使ってみた
ただでさえ癖毛なのに、寝癖で爆発したかのような髪をクシでとかして三つ編みに。
顔を洗って着替えて、子供達を起こし朝食の準備をする。
それが私とアンジェリカの朝の役目。
くすくすくす・・・・。
あははは・・・・・・。
彼方此方で聞こえる笑い声。
一日経っても、まだ笑われてる。
こりゃ街に出ても同じだな。
今日は孤児院から出ない方が良いだろう。
というか、もう永遠に笑われそうな気がする・・。
「リタ・・気にしちゃ駄目よ?」
「大丈夫、もう気にしないよ」
昨日の院長先生の言葉で大分吹っ切れたし。
それに昨夜の夢・・・。
都合のよすぎる内容だったけど、どうしても気になる・・・。
だから私はこっそり≪シャボン玉作成≫のスキルを使ってみる事にした。
きょろきょろきょろ。
「よし、誰もいないな・・・・」
孤児院の裏にある水道からバケツに水をそそぐ。
「・・・・・・・・いきます!」
ぐるぐるぐるぐる!!!!
ぐちゃちゃちゃちゃちゃ!!!!
バケツの水に土を入れて私はぐちゃぐちゃと木の枝でかき混ぜた。
見事に茶色の泥水ができた。
小石が混じって、どっろどろだ。
こんな水でも飲めるようになるって創造神様は言ってたけど、本当かなぁ・・・?
「えっと、やり方はとにかく作りたいシャボン玉を頭の中で想像するんだっけ・・」
創造神様に言われた通り、私は手を掲げて頭の中でこの水を綺麗にしたいシャボン玉を想像した。
念じると言っても良い。
・・・・・・・・・ふわ、ふわ・・・。
「おお、できた・・・・かな?」
すると、手の中でふわんふわん、といくつかのシャボン玉ができた。
見た目は普通のシャボン玉だ。
「これを・・・こう・・・・」
私はふうっと息を吹きかけて、シャボン玉をバケツの中の泥水に飛ばした。
シャボン玉はふわふわと泥水の上に移動して、
パチンッ
パチンッ
と弾けた。
すると何と、泥水はシャボン玉が弾けると同時に凄く透明度のある水になった!
「えっ!ほんとに綺麗になった!?」
覗き込むと、バケツの底まで見えて塵一つも浮いていない綺麗な水になっていた。
とてもさっきまでどろどろだった泥水とは思えない。
ためしに飲んでみる・・・。
・・・ごく、ごく。
「・・・・・・・美味しいっ」
口当たりが柔らかくて、ほんのり甘味があるような味だ。
何か、元の水よりも美味しい気がする。
「・・・・・これって、創造神様の言ったとおり・・・?じゃああの夢は、夢じゃ・・なかった?」
耳に創造神様の鈴を転がすかのような笑った声が聞こえた気がした。
孤児院で最年長の15歳を迎えたのはリタとアンジェリカだけです
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