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ダブルビジョン  作者: 深瀬優賀
新人戦
14/32

第十三話 能力なんぞ拡大解釈してナンボ

再開です。二章終わるまでは毎日この時間に投稿します。

「ふっ!ほっ!」

「……何をしているのかしら?あまり奇行に走るようなら通報するけど」

「マジでやめろ」


場所は休日の市立体育館。休日なのに人の少ないこの場所で、満月はパルクールじみた動きを練習。その映像を燕にとらせていた。

一区切りつけて映像を確認し始める満月を見て、燕は溜息をつく。


「……明日時間あるか?あるなら少し付き合って欲しい。なんて言うから来たのに」

「あぁ、それで……」

「何か?」

「いや、別に」


そういえば、なかなかにめかし込んでいるなとは思ってはいた満月である。なんでそんな動きにくい格好で……と思っていたのは黙っておくが吉だろう。


「えっと……似合ってるな。ガーリーな雰囲気でやや新鮮だ」

「……とってつけたような賛辞をありがとう」


と言いつつ髪を指にくるくると絡め始める。照れている時の彼女の癖であり、一応正解を引いたらしいと満月は胸を撫で下ろす。


「で?結局満月の能力ってどんなものなの?」

「ふむ、未だ研究中ではあるが……ざっくり言うと透明な障壁を作り出す能力だ。あと反発係数を弄れるっぽい」

「なかなか便利な能力ね」

「ああ、合計面積に制限はあるが、枚数制限はないからこう言うこともできる」


そう言いながら階段のように壁を展開した。


「へえ……これ私も乗れるのかしら」

「ああ、乗ってみるか?こちらとしても他人が乗った時どんな感覚か聞いておきたい」

「なら失礼させてもらうわ」


そんなことを言いつつ階段を登っていく燕。


「どんな具合だ?」


頭の上くらいまで登って行ったところで聞いてみる。


「そうね……まず透明で反射率も低いから階段として登ると躓きかけるわね。あと、表面がツルツルしているから雨の日とかは滑りやすそうね」

「そうか……ご意見感謝する」


そう言いつつ上を見上げて……数秒硬直。

不穏な気配を感じたのかこちらを見下ろす燕。


「……………」

「……………」


目が合った。


隣に飛び降りてくる燕を見つつ、満月は動くことができない。


「ねぇ、満月君」

「なんでしょう?あと敬称は不要だ。逆に怖い」

「何が逆かはわからないけれど分かったわ。それはともかく、良いトレーニングを思いついたのだけれど」

「おい、ちょっと?黒雲でてる。バチバチ言ってる!」


その後、足腰立たなくなるまでしごかれた。なかなか理にかなっていて、使い所の多そうな能力活用方だっただけにタチが悪かった。


「なんでこんな事に……」


事情を語るべく、時を巻き戻そう。アレは約一週間前のことだ。

『透明拒絶』(クリアリジェクト)


所有者 薄野 満月


ビジョン

メカニカルでSFチックな全身鎧とヘルム。割とスリムな形状をしている。


破壊力 E 速度 A 射程 C 持続力 B

精密操作性 A 成長性 A


中距離能力主体型の人型アバター。能力は「透明な壁を作り出す」というもの。その壁は合計面積が100平方メートル以内であれば何枚でも出すことができ、表面の反発係数を0~1.5の間で変動させることができる。出した壁は、その場でのサイズ変更も、出した位置からの移動も出来ず、その座標に固定される。強度は、至近距離からの戦車砲を、防ぎはするが砕けるという程度。また、壁には表と裏があり、表面への攻撃には、先述の通りの強度を発揮するも、裏面への攻撃だと、あっさり砕ける。また、自身を囲む壁の外には新たに壁を作れない。展開速度と精密操作性に優れるため、防御性能は高いものの、攻撃への直接転用は難しい。

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