第1話 プロローグ
2020年6月7日改稿。文頭位置の修正。
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はるかな昔、強大な魔王が生まれた。
魔王は、大陸中央に邪悪な居城を築き、凶悪な魔道生物を作り上げ人類に攻め込んだ。
強大な魔王軍には敵わず、人類は大陸の西の端まで追い詰められた。
いよいよ最後と人々が絶望したその時、心優しき光の女神シャリーが人類に光の勇者を遣わした。
光の勇者は3人の仲間と共に魔王軍に立ち向かい、女神の加護により魔王軍を打ち滅ぼして行った。
ついに大陸中央の魔王城にて魔王と剣を交え、光の勇者は相打ちとなりながらも魔王を討ち果たした。
魔王軍は滅びた。しかし、魔王の残した邪悪なる瘴気は魔王城を迷宮に変え、周囲を人を寄せ付けぬ魔の森へと変容させた。
3人の仲間は光の勇者の亡骸を聖地シャリーアンに弔い、3つの国を興した。後に三大王国とよばれる国の誕生であった。
月日は流れ、多くの冒険者が魔の森に挑んだが、魔王の瘴気を晴らすことはできず、迷宮は今も魔の森の奥深くにあるという・・・。
(聖典 外伝第1章 第2節「魔の森と迷宮」から)
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ある日、人々が魔の森と呼ぶ森の奥で、小さな地震があった。ただそこに棲む動物や魔物が騒いだだけの小さな地震であった。
そんな、人々の知らない出来事から3か月ほど経った日から、物語は始まる・・・。
(つづく)