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チェス戦争

作者: 桜兎

文化祭用に書いたので各々アレンジして台本にしたりしていいです。お金を取る場合もご自由にどうぞ


 「どんなに悔やんでも、どんな願いが叶うといわれるものでも時を戻すことはできません。ですが、進むことはできるのです。これは、とある歴史の裏に隠された後悔の物語。」


 君はこんな噂を聞いた事があるか?とある学校で行われる2対2の決闘の話。今時そんな噂話流行らなと思うだろう?だけど、この決闘には変わったルールがあるんだとよ。ルールはこう。チェスに見立てて計12人が白と黒に分かれて行われる。そして一人ずつポーン、ルーク、ナイト、ビショップ、クイーン、キングが配役される。最後にキングが来るように順番を決めて勝ち抜け方式らしい。つまり、簡単に言えばキングを倒せば勝ちだ。決闘は2対2で不思議な仮想空間で行うらしい。敗者はその世界に二度と入れなくなり、願いを叶える権利を失う。勝者はその場で願いを叶える。叶えた後はまた入ることはできるが願いを叶えれるのは一度きり。上手くできてるよね。決闘をする理由?どうやらね、


  {勝てば願いが叶うそうだ}


雪「白の方は今回ルークとナイトを選んだみたいだよ」

桜「あ?秋出んの?」

雪「そうみたいだよ」

桜「ふーん、久しぶりにあいつとやりあう機会じゃねぇか」

雪「あー、桜は白のルークの秋とはライバルだもんね。ルーク同士だから?」

桜「違う、あいつは私とやりあっても丁度いいからだ。それより、雪は相手と関係なんかないの?」

雪「白のナイトの夏さんは私の師匠のお兄さんだよ。」

桜「じゃあ、仲はいいの?」

雪「良いわけない。だってあの人は師匠を裏切って白に入ったんだから」

桜「なるほど今回は因縁対決か」

雪「そうなるね」


夏「黒はルークとビショップねぇー。てことは、あいつの弟子と戦うのかー。」

秋「ん?ルーク?ってことは桜とやるの?あいつ私が相手だとやる気出し過ぎるんだけど。あー、めんどくさいー」

夏「片方は雑魚だから2:1のようなもんだから大丈夫でしょ。」

秋「そうなるといいなぁ」

夏「でも、ビショップ…雪は僕が仕留める。」

秋「分かった。まぁ桜の相手は私がやりますよ。」

夏「桜は秋が相手しないとキレるだろうね」


秋「もう来てたんだ。黒のお二人?」

雪「桜が我慢できなくてね」

夏「しゃしゃり出るなよ雑魚」

桜「自分はパートナーに任せっきりのへっぴり腰なんかよりよっぽど強いと思うけど?」

夏「はぁ、うるさい。一回外でも見て落ち着いたらどう?」

桜「外ばっか見て隙作るとあぶねぇぜ?」

夏「あ、コスモスが咲いてる…確かにそんな時期だね。知ってるか?コスモスは秋桜と書いて花言葉は{調和}なんだよ。桜と秋は調和取れてるのかな?」

桜「関係ねぇだろ。あー、セラスチウムって花があってね?夏雪草って書くんだって。花言葉は{才能}{幸福}だって夏は才能にあぐらをかいて、雪は幸福を掴もうとしてるんだ。どっちが阿呆かなんて一目瞭然だね?」

秋「やめて夏。桜煽っても影響でるの私なんだから…」

雪「桜も煽りに乗るなんて勝つ気ならやめときなよ」

桜「煽り返したり論破するのが楽しいのに…でも、雪の言うことも一理ある。ここは引いとく」


 ―時間です。両軍の準備完了し次第決闘を開始してください―  


夏「準備なんて必要ない。私達は常に敵を討つ。愚かな弟を討つまで負ける気はない」

秋「ここで死ぬわけにはいかない。私の願いを叶えるため、白の軍の勝利の為に」

夏「秋、作戦は変更なし。そうそうにビショップを討ち、そっちに加勢する」

秋「私は夏に頼るだけじゃない。二人の力で勝利する!」


秋「白の軍・ルーク。秋。行きます。」

夏「白の軍・ナイト。夏。出る。」


  ―時間です。両軍の準備完了し次第決闘を開始してください―  


桜「雪、覚悟はいい?」

雪「とっくに出来てる」

桜「私たちは宿敵の死を持って自分の願いを叶える!」

雪「師匠やキングのためにも私たちは負けない!」


桜「黒の軍・ルーク。桜!参る!」

雪「黒の軍・ビショップ。雪。行きます!」


剣と剣がぶつかり合い甲高い音を響かせる。剣を交える4人の姿は輪舞を踊っているようにも見える。


夏「雪、お前は早めに消させてもらうぞ。」

雪「相手はするけど消えるつもりはないよ!」

夏「どうせお前は私に勝てず助けも来ないでここで散る。可哀そうになぁ。あんな弟に与するからこうなるんだ。黒は自己中で愚かな奴らの集まり。でも、雪は違うだろう?」

雪「黒のみんなは愚かでも自己中でもない!それに、私なんて白に入っても邪魔になるだけだよ?」

夏「そう思うならそれでいい。今から白の方が強く気高いことを教えてやる!」


桜「秋?私と戦うのは分かってたでしょう?こっちに来なよ!」

秋「言われなくても!」

桜「さあ、楽しく舞いましょう!」


しばらく4人の攻防は続いた…。


夏「さあ、これでとどめだよ、雪」

雪「私達は、負け、ない!」

桜「雪!」

桜は秋の剣を逸らし、夏の攻撃を受け止めた。

雪「桜!?」

桜「ふふ、私が雪を助けないと思った?それはとんだ勘違いをされたものだね。私達黒の軍には決して仲間を見捨てるような奴はいない!」

夏「ふーん、そう。でも二人で何ができるの?」

桜「あんた達を倒すことだよ!」


桜の剣が夏の胸元へ伸びる…

秋「私のことを忘れてない?」

が、その剣は秋へと突き刺さった。

夏「秋!?貴方なぜ!?」

秋「わた、しが、生き、残るよりも、夏が、生き残るほうが、勝率は、あがる、でしょ?かはっ」

夏「秋!…分かった何としてでも私は勝つ!」

雪「でも忘れられてたのは私も同じなの」

夏「甘い!」

雪の迷いのない斬撃を夏はぎりぎりで躱す。

桜「でも!油断は禁物!」

二人の斬撃を夏はぎりぎりでやり過ごす。

桜「これで!」

雪「終わり!」

桜と雪の斬撃は同時に夏へと降りかかる。

夏「がはっ、私がこんな奴らに負けるなんて…ごめん。秋、私も勝てなかった…」


桜「あれ?この花は…」

雪「その花何?」

桜「冬にしか咲かないユキザクラって花。花言葉は…運命を切り開く。」

雪「きっと私達の勝利を祝福してくれてるんだね」

桜「でも…、調和や幸福、運命は誰かの屍で作るものじゃない。手を取り合って作るものだよ。それに私達きっと良い友達になれたよね…。」

雪「うん」

桜「もし、向こうで会えたらこんな狂った戦争の事なんて忘れてしまってもいいよね?」

雪「ごめん師匠、キング、クイーン。私達の願いはこの戦争の強制終了とこの戦争の関係者の無事だよ。」


ユキザクラを折り、二人は自らを斬った。そこはもう、誰も触れることなどない折れたユキザクラと共に消滅していった…。

もしかしたら一部改変込みの続きを出す…かも?

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